日本映画『SF サムライ・フィクション』に主演して音楽監督も務めた日本のギタリスト、布袋寅泰がニューアルバム『エレクトリック・サムライ』のプロモーションのため訪韓した。
布袋はクエンティン・タランティーノの映画『キル・ビル』、金大中(キム・デジュン)拉致事件を扱った映画『KT』の音楽を担当した。
布袋はよく話し、自信に満ち溢れていた。自分のことを「世界最高のギタリスト」と言った。
-侍を素材にした映画に相次いで参加し、今回『エレクトリック・サムライ』を発表したが。
「韓国に紹介された私の作品が侍を素材にしたものが多く、私に対するイメージが『サムライ』のようだ。人々は重要な事に備えて何かを準備する。侍は刀を準備する。私にとってはそれが黒いギターであり、常にそのギターを準備している」
「実は『サムライ』とは、現代人が忘れてしまった精神だと思う。私を完全に信頼し、平穏な状態で相手と向かい合う言葉だ。今回のアルバムは近々ヨーロッパでも発売される。彼らにも接しやすいようにと選んだ素材でもある」
-韓国の日本文化開放に合わせた計画はあるか?
「ソウルに眠る私の父(彼の父は韓国人だ)は生前に『ギターじゃ飯は食えん』と音楽をやることに反対しました。しかし、私は今、ギターで生活をして全世界で名を知られている。市場が開放されたからと韓国に進出する日本のミュージシャンとは違う。もちろん、いつかは韓国で公演したい」
-この自信はどこから出てくるのか?
「14歳の時からギターを始めて多くの試行錯誤を繰り返してきた。自信のない自分なんて私自身が受け入れることができないし、私のファンもがっかりするでしょう。しかし、俳優としてはあまり自信がない(笑)」
-韓国では俳優のイメージが強いが。
「私は20年以上もギタリストとしてやってきた。理解し合える監督と出会って映画にも出演するようになった。『SF サムライ・フィクション』は侍とロックの融合というまったく新しいスタイルがユニークだった。撮影中も喜びを感じた」
-アルバムはテクノをはじめとする最先端サウンドの印象が強いが。
「私は70年代に育ったが、2000年代を生きている。ミュージシャンは今起きていることに敏感でなければならない。それは“呼吸”とも同じだ。
今起きているものを吸収して私の色に変えて吐き出すのだ」