17歳とはどんな年だろうか。子供から大人への階段を不安げにかけ上がる混乱するような感じだろうか。一方ではこの先に待ち受けていることを想像して恐れ、もう一方ではときめきを抱いた心が複雑に混在している。
17歳の女優、ムン・グニョンにインタビューした。彼女は公開を控えたロマンチックコメディー『幼い花嫁』で複雑な家庭の事情で大学生(キム・レウォン扮す)と結婚生活をしなければならない女子高生役を演じた。
小学校6年生の時にデビューしたムン・グニョンは、中学校1年生の時にドラマ『秋の童話』(日本タイトル『秋の童話 ~オータム・イン・マイ・ハート~』)で宋慧喬(ソン・ヘギョ)の幼少時代を演じて早い時期に“人気”というものを経験した。
そして、昨年夏のヒット映画『薔花、紅蓮』で大きな瞳の中に恐怖を持った紅蓮(ホンリョン)役で脚光を浴びた。故郷の光州(クァンジュ)の高校に通っているムン・グニョンは、昨年の光州国際映画祭の広報大使にも任命された。
「だいぶ心配をしましたが、映画が公開された後に周囲から良かったと言われて本当にほっとしました。私が観た時は力を抜いて演じなければならないシーンでオーバーな演技をしてしまって、その反面では沈む演技をするシーンが多かったようです」
『幼い花嫁』はムン・グニョンのキュートな魅力が映画のすべての短所を相殺するのに十分な作品だ。結婚をしたにもかかわらず、片思いの野球部の先輩とデートを楽しむ頑是無い妻役を演じた彼女は、さまざまなキュートな表情や動きで歌やダンスまで踊って『幼い花嫁』をムン・グニョン色に染めた。
キュートさを前面に打ち出しても自然なルックスと演技力、そして17歳で高校生であること自体がムン・グニョンにとっての幸運だ。ムン・グニョンは70年代のイム・イェジン以来となる忠武路(チュンムロ)の女子高生スターになるかも知れない。
彼女が女優としてデビューできたのは、金大中(キム・デジュン)前大統領のおかげだ。「小学校3年生の時に学校の舞台で『白雪姫』の小人役を演じてから演技の面白さを知りました。それで母に演技学校に行きたいとお願いしました」。初めは完全に反対していた母親が、1年後にまた娘がそのことで騒ぎ出すと、まずあり得ないだろうと考えて「じゃあ、金大中候補が大統領に当選したら通わさせてあげる」と約束したからだ。
「『秋の童話』で顔が知られるようになって初めはうれしかったです。子供心に女優を夢見たのも正直に言えば芸能界の華麗な面に憧れたからでした。ところが最近では逆に大変なことのほうが多くなりました」
「10年くらい経ってから人々が私の演技を見て『素晴らしい女優だ』と言ってもらえたら本当にうれしいです」。そう語る彼女に今も女優ではないのかと聞いてみた。
すると、しばらく考えてから「女優になろうとしている高校生です。もしかしたら一生女優にはなれないかも知れません。私が満足という言葉を知らないからです。まだ高校生でいたいのです。それでも演技をしている時が一番幸せなので、立派な女優になれるように徹底して今から備えようと思います」。
ボタンの多いピンクのジャケットを着て写真撮影で使うという飴玉を口に放り込んだ少女は、もう女優になるための準備をすべて終えている。