なかなかの威力発揮するJ-POP 若手アーティストが善戦

 先月、日本の大衆音楽の開放と同時に宇多田ヒカルのデビューアルバム(1999年)をリリースしたEMIコリアは、当初の注文を4000枚程度と予想した。しかし、リリース開始一週間後にはすべてが売り切れ、旧正月連休中は完全に在庫切れを起こす事態に陥った。

 その後すぐさま追加プレスされ、現在までに約1万枚のセールスを記録している。同時にリリースされた2nd、3rdアルバムを合計すると、約2万5000枚のセールスを記録した。

 J-POP人気は非常に順調だ。日本音楽の国内開放とほぼ同時に「独(トク)島紛争」という悪材料に見舞われたJ-POPは、開放から数カ月目にして意外に善戦をしている。

 現在、人気のトップを走っているのは宇多田ヒカルをはじめ、ロックバンドの「L‘Arc-en-Ciel」のリードボーカルを務めるhyde、3人組の男性グループ「w-inds」、女性バラード歌手の中島美嘉。どのアーティストも約1万~2万枚のセールスを記録している。

 まったくの予想外だったのは「w-inds」。端整なルックスをした10代のメンバーで構成された彼らのアルバムは、当初の予想販売枚数が2000枚程度だったが、実際にはその5倍となる1万枚以上のセールスを記録している。

 日本音楽が開放される以前の昨年12月、日本文化院で開催された彼らのフィルムコンサートには定員(150人)の約4倍にあたる600人が殺到して今回の好セールスをすでに予告していた。

 w-indsの主なファンは女子中学生。所属レコード会社のポニーキャニオン・コリアは「日本のボーイズグループがやや女性的なイメージであるのに比べ、w-indsは男性的でパワフルであるのが人気のようだ」と説明した。

 J-POPはしかし、韓国のアルバム市場よりは洋楽市場に影響を与えていると分析されている。アルバム業界の関係者は「90年代以降、韓国音楽の勢いはまだ続いており、新たな外国音楽として分類されるJ-POPは米国や英国などの洋楽と競っている」と話す。

 こうした人気構図の中、90年代にJ-POPの海賊盤市場を席巻した往年のミュージシャンたちは大きな反応を得ることが出来ないでいる。

 B’z、CHAGE&ASKA、TUBE、ZARD、J-Walkといったミュージシャンたちが、それぞれベスト盤や韓国市場を狙った特別アルバムをリリースしたが反応はいまいちだ。ソニーミュージックコリアの関係者は「こうしたアーティストたちの国内のファンは現在20代中盤以上であり、こうした世代はアルバム市場の主な購買層からは外れている」と分析した。

 しかし、もう少し時間を置けばこうしたアルバムも徐々に反応が出てくるだろうという期待も出始めている。先日、プロモーションのために来韓したJ-Walkのメンバーもやはり「韓国と日本は人々の顔つきや町並み、情緒が似ていているだけに、私たちの音楽もきっと受け入れてもらえると確信している」と語った。

 J-POPの勢いが増してくるとレコード会社のマーケティング戦略も多様化している。最も安全といわれるベストアルバムを中心にリリースを始めたが、今後は通常盤を韓日で同時発売する予定だ。

 L‘Arc-en-Cielの場合、2001年にアジア8カ国のファン投票で選ばれた13曲を収録した『Clicked Singles Best 13』をリリースしたが、今回さらに韓国のファン投票によって2曲を追加し、『Clicked Singles Best 13+2』という特別盤のリリースを決定した。

 EMIコリアのパク・ヨンアさんは「当初に予想したよりもJ-POPがかなりの速度で国内市場内での競争力を発揮している」とし、「3月に入って通常盤がリリースされ始めれば、音楽市場全体の規模も大きくなると期待している」と語った。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者 hwhan@chosun.com
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