一貫したスタイルでベルリンを認めさせた金基徳監督

 「韓国の低予算映画が注目されるようになったのは、運命ではないかという気がします」

 今月14日にヨーロッパの3大映画祭として知られるベルリン映画祭で監督賞(銀熊賞)を受賞した『サマリア』の金基徳(キム・ギドク)監督は16日に帰国し、「今回の受賞によってヨーロッパでプロダクションを経営する機会が与えられたのが嬉しい。スターも出演していない制作費5億ウォンの映画をどうやってプロモーションしようかという悩みが解消されたのもよかった」と感想を述べた。

 昨年、青龍(チョンニョン)賞の作品賞に輝いた『春夏秋冬そして春』のフランス公開のためにパリに滞在していて突然受賞の連絡を受けて授賞式に参加したという金監督は、「受賞理由は『サマリア』一作品のためというよりは、これまでの作品を通じて『自分の路線がはっきりとした監督』という評価を受けたからでは」とした。

 また、「現地では『あなたの映画は残忍で社会悪を犯す登場人物を描いているが、決して憎むことはできない』という評価を受けた」と語った。

 援助交際をテーマにした映画を制作した理由について金監督は、「韓国には60万人の買春女性と60万人の父親が存在する。父親も他人の娘に対しては他の男たちと同じ立場になる。単純な被害者と加害者の関係はない。共犯だと思わなければならない」と語った。

 金監督は「『サマリア』は子供を持った親と子供の両方が見るべき映画だ。それだけにこの映画に出された未成年者観覧禁止等級の撤回を要請したい」とし、「次回作の『硝子』ではヨーロッパに養子縁組されたある韓国人少女の成長を描く」と語った。

スポーツ朝鮮/ソン・ウォンソプ記者 five@sportschosun.com
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