ドラマ『日の光零れ落ちる』でイメチェンする宋慧喬

 黒いジーンズに緑の皮ジャケットを着て幅のあるベルトをした彼女は、片方の唇を噛み締めたまま、どこか悪ぶった曖昧な笑顔を浮かべている。11日からスタートするSBSテレビの新ドラマ『日の光零れ落ちる』のポスターに写る宋慧喬(ソン・ヘギョ/22)の姿だ。

 「男性の前では何も言えずに一人悲しむ哀れな女性…」。宋慧喬が自ら語る自分のドラマでの役柄だった。

 しかし、今回はポスターが物語っているように、何かが変わったようだ。宋慧喬は「決して明るくはないが寛大なキャラクターを演じる」と言う。

 宋慧喬が演じるチ・ヨヌは、両親を次々と失って多大な額の借金と幼い弟を背負ったまま、過酷な労働を文句も言わずにこなしていく。ライト付きのボールペンを売るために地下鉄で商売をする行商人になったり、強引な借金取りたちには笑いながらこう言い放つ。

 「あたしが母親の遺産相続を拒否すれば借金もあたしには無関係でしょ。それでも返すと言ってるのに、ここまで来てこんなことをされたらたまらないわ。ついでだからこの荷物を駅のホームまで運んでよ。これから長いお付き合いになるんだから当然よね!」

 底抜けに明るいキャラクターを期待したという宋慧喬は「実際にロケが始まってみると、思っていたほどではなかったけど、それでも楽しい」と言い、「悲しみに溢れたキャラクターはしばらく遠慮したい」と語った。「『オールイン』や過去の作品は、いかにも演技という感じで、しかも表情までいかにもだったので、見る側も飽き飽きしていたのでは」と言う言葉も付け加えた。

 ウングァン女子高の1年生だった97年の初め、某学生服メーカーのモデル選抜大会で大賞を受賞して注目され始めた宋慧喬は、デビュー当時の元気溢れる明るいイメージで多くの視聴者から支持を集めた。SBSのシチュエーション・コメディー『順風産婦人科』で幼稚園生のミダリと何かにつけて食べ物のことで争う世間知らずの女子大生「ヘギョ」の姿が記憶に新しい。

 しかし、彼女を本当の意味でスターダムにのし上げたのは、2000年にKBS第2テレビで放送された『秋の童話』で演じたウンソの美しく純粋な“涙”だった。「私を今の姿にしてくれた作品でした。あの頃の自然な感情の演技は、今考えても本当に上手く演じられたと思います」

 宋慧喬は昨年の初めに放送された『オールイン』で「2003 SBS演技大賞」の最優秀演技賞を受賞した。しかし、『完全な愛』に主演した金喜愛(キム・ヒエ)が“大賞”を逃したことに対して脚本家の金秀賢(キム・スヒョン)氏がネット上を通じて強い不満を吐露するなど、手放しでは喜べなかった。

 宋慧喬は「金先生をはじめ、ネット上での意見については共感する部分もある。それだけに今回の作品はベストを尽くさなければと思う」と決意を語った。

 『オールイン』での共演がきっかけで知り合った交際相手の李炳憲(イ・ビョンホン/34)についても何点か聞いてみた。

 「初め『オールイン』の撮影に入った時、炳憲さんは“恐怖の対象”でした。私だけではなくチ・ソン、パク・ソルミなどの後輩たちにも演技の問題点を一つ一つ指摘してくれたので、まるで学校の先生みたいでした。今となっては『自分は厳しくする気はまったくなかった』なんて言い訳していますが…」

 結婚の予定について尋ねると「自分も分からない」という素っ気無い返事が返ってきた。さらに「結婚後も引退はしないのか?」と質問すると、宋慧喬は一言「結婚してから聞いてください」と答えた。

チェ・スンヒョン記者 vaidale@chosun.com
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