じっくりと聴かせる二人のバラード歌手が新譜を発売<2>

▲ハン・ソンミン-流行に左右されない本物のバラード

 金ヨヌが土焼きなら、ハン・ソンミンのデビューアルバムは陶磁器だ。

 ハン・ソンミンは子供の頃から高校卒業まで、米ニューヨークの数々の合唱団で歌った経験がある。高校時代にミュージカル『ジーザスクライスト・スーパースター』でキリスト役を演じて実力を認められた。訴える力のある高音を思う存分に表現することができるテナーとして定評がある。

 母親の友人が紹介してくれたお陰で偶然にも韓国で発表することになったハン・ソンミンのアルバムには、そうした音色の歌声が収録されている。

 教会音楽にもよく合いそうな音色が、特別なテクニックなどを使わずに澄んだ光を放つバラードアルバムを完成させた。オーケストラとピアノ中心の高級感溢れるサウンドに自ら歌ったコーラスが絶妙にマッチする。

 ハン・ソンミンは「米国でもバーブラ・ストライサンドやトニー・ベネット、1950~60年代のスタンダードジャズのような昔の歌が好きだった」と言う。

 タイトル曲は映画『クラシック』(日本公開タイトル『ラブストーリー』)に挿入された曲『愛せば愛すほど』。一般的な三拍子のバラードにメロディーは香港ポップスのような印象を与える。ユ・ヨンソクの特技である「#の力」が光を放っている。

 1曲目の『遊離』とLoveholicのカン・ヒョンミンが作曲した2曲目の『あえて』などの曲は、白い息づかいが感じられる冬のバラードだ。

 ハン・ソンミンは日本の「安全地帯」のボーカル、玉置浩二のソロ曲『SACRED LOVE』をカバーした曲『一生』も歌った。「歌詞を理解することができなくても心が動かされるような曲で、本当に悲しくも素晴らしい曲」と語る。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者 hwhan@chosun.com
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