極寒の地で熱演した『氷雨』の金ハヌル

 胸が凍えるような愛、そんな切実さが真冬の観客に訴えかける。

 16日に公開された山岳映画『氷雨』(金ウンスク監督、Koo&Film制作)の金ハヌルは冬の雨のように冷たい。

 『氷雨』は雪山で遭難した二人の山岳隊員(李誠宰(イ・ソンジェ)と宋承憲(ソン・スンホン)扮す)が、極限状態で愛する一人の女性に対する記憶を振り返るといった内容だ。金ハヌルは二人の男性から愛されながら、悲劇の運命に身を投じるヒロインのギョンミンを演じた。

 昨年初めに『同い年の家庭教師』で大ヒットを記録した金ハヌル。はちゃめちゃな役を演じたが、今回は180度違う役を演じている。新たな方向性を模索するために選んだ作品だ。

 「今まで出演した映画の中で最も胸が痛むラブストーリーです。試写会の時に承憲さんが涙していましたが、私も目頭が熱くなりました」

 金ハヌルは今にも壊れそうな華奢な外見とは異なり、かなりしっかりとしている。中学時代に100メートル走のクラス代表として活躍したのを除き、運動とは縁遠い方だ。しかし、『氷雨』クランクイン前には歯を食いしばってソウル市内の道峰(トボン)山などで登山訓練を受けた。

 「足の力がぱっと抜けて目の前が真っ白になります。落ちたらどうしようとか、このまま死ぬんじゃないかと余計なことばかり考えていました」

 まるでホラー映画の1シーンのように登山訓練の様子を説明した金ハヌル。ロケ現場の雰囲気について尋ねると顔に自然と笑みが浮かんだ。

 「誠宰さんがロケ現場のムードメーカーでした。寒いジョークを一度飛ばすと、みんな大盛り上がりだったんですよ」

 マイナス30度の厳しい寒さにも威力を発揮したという李誠宰の強烈な活躍のお陰で、現場の雰囲気は「快晴」そのものだった。過酷な環境のカナダの山岳地帯で行われたロケも、俳優たちの努力で長い峠を乗り越えることができた。

 2月20日に公開される映画『彼女を信じないでください』では、また別の魅力で観客を楽しませてくれるだろう。今月クランクインしたホラー映画『霊』を含む3本すべての映画に出演している金ハヌルは、今年最も忙しい女優の一人となるだろう。

『スポーツ朝鮮/チョン・サンヒ記者 nowater@sportschosun.com 』

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