歌唱力だけでない超実力派グループ「VIBE」

 昨年、『憎くてももう一度』という曲でその名を広めた「VIBE」は、高校時代の同級生のリュ・ジェヒョン、ユ・ソンギュ、そして元ボーカルグループ「Four Men」メンバーのユン・ミンスの3人組だ。

 ほとんどの作曲をリュ・ジェヒョンが手がけ、アレンジもメンバー全員で行う。作曲やアレンジができるということは、楽器別に楽譜を書いて読めるという意味だ。おかしな話だが、最近のボーカルグループとしては、このこと自体が“ニュース”とも言える。

 VIBEを「R&Bグループ」と呼ぶには、あまりにも短絡的だ。バラードをメインにしながらも、サックス、ハーモニカ、ピアノの演奏からはジャズの印象を強く受ける。さらにユ・ソンギュのラップで歌に弾みをつけた。

 「私たちがいくらブラック・ミュージックを真似ても限界があります。単純に真似をするのではなく、私たちのスタイルを創り出したいのです」

 リュ・ジェヒョンは中学1年生の時からコンピューター音楽を学び、その当時から楽譜の読み書きを学んだと言う。そして同時にアルバムのプロデューサーを務め、制作全般を手がけている。リュ・ジェヒョンは「ファンキーなリズムが好きで、常にそういったジャンルの音楽を聴いて勉強している」と語った。

 ユ・ソンギュはハードロックバンドの「エアロスミス」とヒップホップグループの「RunDMC」を同時に好んで聴いたと言う。ユ・ソンギュは「バンドを組みたかったが、高校の時にクラブDJを始めてさまざまな音楽に触れているうちにラップを学ぶようになった」と語った。しかし「ラッパーのイメージに固定されたくない」と言う。

 ユン・ミンスは中学校2年生の時に片思いした教師に歌を作曲してプレゼントしたことがあるという。ユン・ミンスは「趙容弼(チョー・ヨンピル)さんや李銀美(イ・ウンミ)さんのようなベテランミュージシャンを尊敬している」と語った。実際にリードボーカルであるユン・ミンスの歌声は高音で、趙容弼と似た印象を与える。

 タイトルトラックの『いつまでもいつまでも』は、親しみやすいリズムでラジオのヘビーローテーションとなっている。メンバーたちはしかし「最も魂を込めて歌った『写真を見てから』をぜひ聴いてほしい」と語った。

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