22日、米袋をいっぱいに積んだトラックが、ソウル・新月(シンウォル)洞にある市場の路地裏を走っていた。目的地は陽川(ヤンチョン)区・新月3洞にある児童養護施設「SOS子供村」。
農林部のコメ消費推進キャンペーン「ラブ・ミー(米)」の広報大使に任命され、公益CMに出演したSBSの尹賢真(ユン・ヒョンジン)アナウンサーの出演料とSBSアナウンスチームの寄付金を合わせて購入したコメだった。
「SBSのアナウンサーは商業CMには出られないことになっています。公益性のあるCMだったので会社が許可しましたが、出演料を私が使うことはできません。それでアナウンスチームに相談して子供たちに希望を与えられる何かをしようということになりました」
2003年は尹賢真にとって最高の1年であったと言っても過言ではない。
『TV動物農場』、『ゲームショー 楽しい世の中』、『スター・ドネーション』などのレギュラー司会を務め、自分の名前を多くの視聴者にアピールした他、金ジェドン、ユ・ジェソク、カン・ホドンが司会を務めるバラエティー番組『実際状況土曜日』の固定パネラーとしても登場した。
尹賢真はこの番組で自分のチームをかく乱する役を務め、出演した6週間はタレントにも劣らない人気を呼んだ。
「正直言ってはじめは引き受けるかどうか迷いました。でも最終的には決心して身を投じました。そして空回りしてはならないと覚悟を決めたんです。それに、最近では教養番組とバラエティー番組の境界があいまいになっていますから、アナウンサーもそれに合わせて変わるべきだと思いました」
尹賢真は2000年、卒業まであと1学期という時に“大学生アナウンサー”として話題を集めてSBSに入社した。しかし喜びもつかの間だった。「ビジュアルはいいが、しゃべりはいまいち」と酷評され、同期が一人二人とデビューを飾る中、事務室にいる日々が続いた。
尹賢真は歯を食いしばって発音矯正を続け、入社4年目を迎えた最近でもラジオのニュースを読み上げる前には早めにスタジオ入りし、「ニュースを先に読んで練習し、発音を確認して分からない言葉は辞書で調べている」という。
隣にいた柳鋏(ユ・ヒョプ)チーム長が「今日決まったことだが、尹賢真さんが『SBS今年のアナウンサー』に選ばれた」と祝福した。近くにいた「SOS子供村」の子供たちが「あっ!『TV動物農場』のお姉ちゃんだ」と叫んだ。