ドラマ『アルゴン』で特戦司令部将校を演じるホン・ギョンミン

 大韓民国の国軍に服務した男性が3人集まれば、軍で雪かきやサッカーをしたこと、チョコパイを食べた話で盛り上がる。人生で最も辛かった時代の思い出は、長い間語り草になるものだ。

 MBCテレビが今月24、25日の午後9時55分から特戦司令部を舞台にしたドラマ『アルゴン(Argon)』を放送する。

 国防広報院とMBCが共同制作し、軍服務中の歌手 ホン・ギョンミンが主演した。昨年10月に入隊した27歳の上等兵 ホン・ギョンミンは江原(カンウォン)道・麟蹄(インジェ)郡で6カ月間服務し、今年4月に国防部に転入した。

 今年10月に『アルゴン』の主演を「命じられ」、1カ月間、首都圏にある特戦司令部でヘリコプターからの落下傘降下訓練、要塞からの懸垂下降、タイヤ引きなど、実際の訓練をほうふつとさせるシーンを撮影した。

 「特戦司令部を扱ったドラマにキャスティングされた時、もしかして『他にも服務中の芸能人がいるのに、なんで自分が…』と思ったのではないか」と質問すると、ホン・ギョンミンは「大韓民国の陸軍は決してそんなことでつべこべ言いません」と周囲の笑いを誘った。

 ホン・ギョンミンはドラマの中で工学部の学生から将校として入隊後、除隊を心待ちにしている26歳の青年「ハン・ジュンヨン」中尉を演じる。演技経験は少ないが、楽しく自然体で演じている。

 米軍に派遣され通訳将校として服務し、特戦司令部と米軍の軍事訓練を受けるハン中尉は、米軍基地に特戦司令部の部隊員が進入し、爆発物を仕掛ける模擬訓練で特戦司令部の女性中士(李ユリ)に認識プレートを奪われる失敗を犯す。

 ドラマのタイトル『アルゴン』は、ハン中尉が「軍人精神」に目覚めていく架空の特戦司令部・特任部隊の名前だ。

 ドラマの中でホン・ギョンミンと李ユリが銃を撃つシーンでは、実弾を使っている。演出した朴ホンギュン・ディレクターは「特戦司令部では空砲を使わないため」と説明した。

 軍隊で面白かったことを質問すると、ホン・ギョンミンも雪かきを挙げた。

 「昨年の冬に麟蹄に24時間雪が降り続いたことがありました。軍隊では雪が降り積もってからではなく、雪が降っている間も雪かきをし続けます。ぼたん雪が降る中、2時間も汗を流しながら雪かきをしました。後から将校が『これじゃらちがあかない。除雪剤をまこう』と言いました。心の中で『万歳!』と思いながら『はじめからそう言ってくださいよ…』と言いました」

 ホン・ギョンミンは「雪かきの話は『思い出』ではなく『現実』です。今も雪が降ったら雪かきをしに国防部に駆けつけなければならない現役の将兵ですから…」と話した。

 大げさに嘆くふりをしながら、その表情はいたずらっぽく精悍だった。

金秀恵(キム・スヘ)記者 goodluck@chosun.com
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