8人の女性と番組で「お見合い」する歌手・李鉉雨

 「適齢期だから結婚しなければ、という考えは今もありません。家族がみんな米国に移民し、20年間一人暮らしをしてきたので、今の方が気楽なんです。この番組の性格も『李鉉雨(イ・ヒョヌ)を結婚させる』という大げさなものではなく、『妙齢の男女のデートに関するレポート』というのがぴったりだと思います」

 李鉉雨は例の訥弁で淡々と語った。一部の芸能メディアはこの魅力的な独身男と8人の未婚女性を主人公にしたSBSテレビ『選択!リアルデート』(全4回・李チュンヨン演出)を「李鉉雨結婚プロジェクト」と大騒ぎしたが、6日の初放送を終えた『選択!…』はそうした予想とはやや違うものだった。

 『百万長者と結婚』や『ラブ・サバイバー』のような合コン番組だと期待していた視聴者は失望したかもしれない。

 根本的に「のぞき見」をキーワードにしたリアリティ番組の持つ限界はあるが、時事番組を主に担当していたソン・ジヒョンの司会と、24時間李鉉雨を撮し続けた6ミリカメラは、ドキュメンタリータッチで李鉉雨の姿を伝える。

 「最初は遠足に行く子どものようにわくわくした気持ちで始めましたが、実際に撮影に入ると予想とは違いました。薬剤師、銀行員、英語講師など、みんな両家のお嬢さんたちで、私の考えも変わりました。実際、女性の方もよほどの決意をしなければ出演などできなかったでしょう」

 数年前、金ヒョンチョルやユン・サンら同年代の歌手とともに「中年独身男4人組」にくくられた時、李鉉雨の求婚は他のメンバーとは違って現実味がなかった。

 仲間が一人、二人と結婚しても、30代半ばを過ぎた李鉉雨は独身を通している。そうした“逆説的な魅力”がこの口べたな男を番組に起用した理由かもしれない。

 毎週女性を2人ずつ脱落させていく「ゲーム的要素」がこの番組の最も刺激的な装置だ。

 13日の第2回放送で最初の脱落者が登場するが、先週4泊5日の済州(チェジュ)ロケですでに4人の女性が番組を後にしたという。

 歌手の金ヒョンチョル、精神科専門医、結婚相談所の専門家、中学時代の友人ら8人からなる「結婚推進委員会」が「性格でも容貌でも、李鉉雨とは合わないと思う女性を脱落させる構造」になっている。

 李鉉雨は「決定する過程で私の意思は全く働きませんでした。私が望んだ人が落とされた時、拒否権を行使する権利が1回ありますが、最後まで使わないつもり」とした。

 最後まで残った女性と李鉉雨の関係はどうなるのだろうか。李鉉雨は正直だった。

 「最後まで残った女性とは実際に付き合うかもしれないし、親しい友人になることも可能でしょう。制作陣は両家にあいさつするシーンまで撮ろうと言いましたが、私が断りました。実際に交際するとしても、番組が終わり、カメラのないところであいさつしないと。

それが礼儀だと思います」

魚秀雄(オ・スウン)記者 jan10@chosun.com
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