歌手で女優の楊姫瓊(ヤン・ヒギョン)、アナウンサーでタレントのイム・ソンミン、歌唱力に優れたことで有名なミュージカル女優のノ・ヒョンヒ、そして映画『友へ/チング』で優等生を演じたソ・テファ…。
これらマルチ・エンターティナーたちの共通点とは?それは12月19日から鐘路(チョンノ)5街の蓮崗(ヨンガン)ホールで公演されるミュージカルコメディー『ナンセンス・ジャンボリー』(ミュージカルカンパニー大衆、ダン・コギン原作、ヒョン・ギョンソク演出)で初めて共演し、猛特訓中であるということ。
これらのスターたちは修道女と神父になってユーモアとテクニックで客席を盛り上げる。
「俳優が苦労するほど観客が喜ぶんです。人々を笑わせるために私たちは汗も涙も流します」
3日の夜、恵化(ヘファ)洞にある『ナンセンス…』の稽古部屋。出演陣の表情は真剣というよりは深刻だった。今回の作品はミュージカル界のロングセラー作品『ナンセンス』シリーズの第3作目。
シリーズ最古参の楊姫瓊は今回、エムネジアの修道女役に新たに挑戦し、ホン・ジミン(エムネジア)、ミン・ギョンオク、カン・ヒョソン(ウィルヘルム)、イム・ソンミン、ノ・ヒョンヒ、キム・ヒョンジン(ロバートの恋人)、ソ・テファ、チェ・ソンウォン(バージル)、ソ・ジヨン、チ・ジョンウン(レオ)などがそれぞれ出演する。
中でも実際の兄妹であるソ・テファとソ・ジヨンが、劇中で兄妹のバージル神父、レオ修道女の役を演じて注目を集めている。
-人々を幸せにしなければならない人の感じるプレッシャーとは、どんなものだろうか。
楊姫瓊=『ナンセンス』は殆どスタンディングギャグに近いと言っていいでしょう。でも、ただ単純に笑わせるだけではお笑いのライブになってしまいます。『ナンセンス』は修道女という身分の特性を失わずに笑わせなければならないのが大変な部分です。
チ・ジョンウン=笑わせることにおいて重要なのは“センス”がすべてのようです。観客は毎回異なります。ある回では観客を爆笑させたユーモアが、他の回の観客たちにはまったく通じないのです。観客のことをしっかりと把握してスタイルを合わせていくのです。
楊姫瓊=知恵を絞って発した一言が客席をしらけさせる時があります。こんな時は完全に浮いてしまいます。
カン・ヒョソン=これは本当は秘密なんですが…、観客の反応を見ながら演じるためにユーモアを何種類か準備しておくんです。例えばウィルヘルムがレオに『こうやって君のように熱狂的に踊る修道女のことを何と言うか知ってるのか?まったく…』という部分があります。この時、観客が笑えば『今笑った人には福が訪れます!』と言います。反対にうけなかった時は、ある観客を見ながら『おじさん!ちょっと笑ってくださいよ!修道女が可哀想じゃないんですか?』って言うんです。本当に笑えません?
-スターであるというハンディキャップはないか?
カン・ヒョソン=今回出演するスターの皆さんは本当にラッキーです。演技が多少ぎこちなくても許される部分があるから。
イム・ソンミン=許されるって?そんなことはありませんよ。逆にもっと大変ですよ。
ノ・ヒョンヒ=私はミュージカル女優なのですが、観客は私が舞台に立つと『あれタレントのノ・ヒョンヒじゃない?どんな演技をするんだろう』なんて思われるようです。観客とのそういった気合の勝負は第1幕が終わって、やっと解消されます。
-どんなベテランでも舞台では緊張すると言うが。
ノ・ヒョンヒ=『ナンセンス』は観客と真正面向かって笑わせなければならないので、非常に緊張します。
ソ・テファ=舞台が初めてだからか、ダンスに集中すると歌詞を覚えられなくなって、歌を気にすると演技に集中できなくなる…。昔、声楽家を夢見て声楽学科を卒業したのですが、友人のギョンテク(クァク・ギョンテク監督)に誘われて俳優になりました。幸い妹のジヨンがミュージカルの先輩としてタダで特別指導してくれたのでラッキーでした。
イム・ソンミン=私は他の世界も見てきましたが、ミュージカルはまた違った感じですね。特に歌を歌うことが最も緊張します。
カン・ヒョソン=私は緊張した時には観客のすべてが裸になっていると考えます。そうすれば気が楽になります。
ソ・テファ=え?そんなことを考えたらもっと緊張しません?
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