女王の求愛を振り払って純情を守る大将軍 『千年湖』

 統一新羅末期の真聖女王(金慧利(キム・ヘリ)扮す)は、大将軍のピ・ハラン(鄭俊浩(チョン・ジュノ)扮す)を愛す。

 しかし女王が好意を寄せてもピ・ハランは自分の命を救ってくれた平凡な女性、チャ・ウンビ(金ヒョジン扮す)にしか目にない。逆謀を企む者たちが計略をめぐらせ、チャ・ウンビを暴行した後、殺そうとすると、チャ・ウンビは絶壁から千年湖へと身を投げる。

 李光勲(イ・グァンフン)監督の『千年湖』(28日公開)は、申相玉(シン・サンオク)監督が約30年前に演出した同タイトルの作品をリメークした作品だ。


 後に作られたほとんどのリメーク作品がそうだったように、この映画も大規模なアクションと発展したテクノロジーの力で原作とはまた違った表情を見せようとしている。

 韓国の映画ファンが最も低評価するジャンルの一つである歴史物のファンタジーを手がけた李光勲監督は、全体的に大きな無理のない演出力を見せている。

 大規模なセットや広大な自然のさまざまな風景も多くの見どころを提供する。しかし、『千年湖』はそれなりに真面目で無難だが、不思議なことに何の魅力も感じられない男からのデートの誘いのような映画とも言える。



 スクリーンの中では凄切なラブストーリーと高度のアクションが展開されても、その興奮が観客に100パーセント伝わらない。

 『燃ゆる月』よりはましだが、『銀杏のベッド』よりは劣るこの映画で、互いに異なる多くの要素は、効果的に共存することができずにいる。アクションにしても、さまざまなカメラワークで映し出した近景は躍動的だが、エキストラたちの動きを完全に統制することができなかった遠景は度々粗さを見せる。

 CG(コンピューターグラフィック)やワイヤーアクションで表現した派手なシーンの数々も、特殊効果を使わない通常のシーンとのつながりも、スムーズでない印象が否めない。大袈裟であるほど典型的な時代劇用のBGMも、映画の緊張感を半減させている。

李東振(イ・ドンジン)記者
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