天才音楽少年チョン・ジェイルが初のアルバムを発表

 神童出現!

 音楽界で“天才少年”と呼ばれてきたチョン・ジェイルが、ついに来週、初のアルバムをリリースする。今年で21歳になるチョン・ジェイルは、12曲が収録されたアルバムで、クラシックやワールドミュージック、ロックやジャズを披露し、未開の地を開拓し始めた。

 チョン・ジェイルは作詞、作曲、編曲をはじめ、ギター、コントラバス、ピアノ、ドラムなどの演奏、プログラミング、サンプリング、歌に至るまで、オーケストラの演奏を除くすべての作業を一人でこなした。

 メロディーを先に作曲した後、チェコの64人編成の交響楽団のためにオーケストラの編曲まで手がけたチョン・ジェイルは、ピアノでヘビーメタルの曲を演奏してクラシックにDJing(ターンテーブルの二枚のアナログ盤をつないだりスクラッチをすること)を導入するなど、一風変わった音作りをした。

 3歳の時からピアノを習いだしたチョン・ジェイルは9歳でギターを始めた。小学校6年生の時にチョン・ジェイルは初めて“事件”を起こす。

 音楽専門雑誌のバンドメンバー募集欄に「イギリスのデスメタルバンド『CARCASS』のような音楽をやりたい。ベース、ドラム、ボーカルを求む」という募集を出した。これを見て連絡をしたのは、ほとんどが20代前半から中盤のバンドマンたちだった。

 彼らはしかし、チョン・ジェイルが「僕は12歳でギターをやっている」と言い出すと、「いたずらをするな、このガキ」などと言って相手にしなかった。結局、小学生だったチョン・ジェイルは、中学3年と偽って20代のメンバーたちとバンドを結成して活動を始めた。

 このバンドはクラブを中心にライブを行ったが、チョン・ジェイルが中1の時に解散する。他のメンバーが全員軍隊に行ってしまったからだった。

 チョン・ジェイルは中学2年の時、ジャズアカデミーの1期生として入学し、作曲、編曲を学び、翌年にはパーカッショングループ「PURI」のリーダー、元一(ウォン・イル)に会って映画『江原(カンウォン)道の力』と『美しい時代』の音楽に参加した。

 その後、ギターリストのハン・サンウォンに誘われて「チョン・ウォンヨン、ハン・サンウォンバンド」の一員となった。

 ハン・サンウォンはこう語った。「私のベースを貸したんです。すると2週間くらいして指先をボロボロにして現われて、そこいらのプロよりもずっと上手く弾くんですよ」

 バークリー音楽院を卒業後、米国で長年にわたって活動をしたハン・サンウォンは「外国でも中々見られない、ものすごいミュージシャン」とチョン・ジェイルを絶賛した。

 中学卒業後、チョン・ジェイルは高校進学を断念した。母に「音楽をやるなら、検定試験を受けて早く大学に行く方がいい」と勧められたからだ。

 チョン・ジェイルは16歳の時、李ジョクがボーカルをしていたバンド「ギグス」のベーシストとして頭角を現すようになった。ギグスのアルバムにはチョン・ジェイルが「ベース、ギター、ピアノ、パーカッション、ターンテーブル、リード・プレイヤー、サンプリング、ボーカル」を担当したと記録されている。

 チョン・ジェイルのアルバムを制作した李フンソク氏はこう語った。

 「彼と契約するため、ほとんど哀願しました。チョン・ジェイルの幅広い好奇心に合わせ、一緒に彫刻展やダンス公演を見に行きました」

 李氏自身もバークレー音楽院で音響学を専攻したが、「チョン・ジェイルを見ていると、モーツアルトの天才的な才能に絶望を感じた宮廷音楽家サリエリのようなコンプレックスを感じる」とうち明けた。

 チョン・ジェイルは「昨年の夏に自分のアルバムを出そうと決心し、オーケストラを選びました。ピアノを習っていた頃から好きだったし、ぎっしりと詰まった音楽なので、僕が選んだ『言語』と言えます」と説明した。

 タイトル曲は『涙の花』。だが、どの曲も驚くべき想像力とアレンジ能力、演奏力に満ちている。鎮魂歌やアートロックを連想させる荘厳なサウンドに、型破りな演奏が爽快だ。

 作曲家兼歌手のユ・ヒヨルはチョン・ジェイルのアルバムリリースの知らせを聞いてこう語った。「彼にとって音楽はおもちゃであり遊び。どんな楽器でも1カ月でものにしてレコーディングできるほど。

彼の新作がとても待ち遠しい」

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者
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