イベント界のヒットメーカーと歌手・李文世が対談


 「李文世(イ・ムンセ)リサCタル」、「十月に雪の降る村」、「PSYオールナイト・スタンド」といった公演を相次いでヒットさせてきた公演企画会社「良いコンサート」が最近、韓国能率協会コンサルティングが選ぶ「顧客満足経営大賞」を受賞した。

 今年で11年目を迎えるこの賞を文化界で受賞するのは「良いコンサート」が初めてだ。能率協会のチ・バングンチーム長は「良いコンサートは公演をブランド化し、観客のニーズに応えるために公演を絶えずリニューアルしてきた」と説明した。

 良いコンサートの代表商品は「李文世リサイタル」だ。1998年の初回公演以来5年間、毎年チケットはソールドアウトになり、現在では年間100回の公演を行う大型イベントに成長した。

 この会社の代表を務めるのは30歳のチェ・ソンウクさん。大学3年生の時に公演業界へ飛び込んだチェさんと彼のパートナーの李文世が対談した。

 「最初はチェさんが『李文世はイメージが古臭く、歌も昔のものばかりで改めなければならない』と公演企画書を突き出したんです。それを見てこれだと思いました」(李文世)。当時、チェ代表は延世(ヨンセ)大学総学生会の幹部として学園祭を企画し、公演の妙味にすっかり魅せられていた。

 「当時は大学時代の思い出を作ろうと始めたことでした。文世さんを訪ねたのは、今思うと本当に不敵な行動でした」(チェ・ソンウク)

 李文世は「駄目でも出演料くらいにはなるだろう」と考え、98年12月に「李文世リサイタル」をスタートさせた。「リサイタル」という言葉は、盧英心(ノ・ヨンシム)のアイディアだった。

周囲の反応は芳しくなかったが、リサイタルには独特で創造的という意味も込められていることから、最終的に採用された。

 コンサートをブランド化させたこの公演は、驚くべき反響を得た。「李文世が声楽を?」、「本当に一人だけで歌うのか?」といった問い合わせが絶えなかったが、その翌年まで続いた18都市36回の公演は、数々の話題を呼んだ。

 2001年の第2回目は39都市で86回公演し、今年の第3回目は46都市で100回の公演を予定している。1年目は全国で3万人だった有料観客数は今年18万人(予想)に増加した。

 「以前は歌手が出席する企画会議も、契約書もありませんでした。ギャラも『満杯になったら半分ずつ山分け』という具合で。ここでは毎日会議です。ギャラも必ず前払いです」(李文世)

 チェ代表は「慣行をほとんど知らなかったから逆に成功できた」と評価されている。チェ代表は「李文世リサイタル」をはじめとする各種の公演を全て商標登録した。

 観客の性別・年齢・職業・学歴などをデータベース化し、公演のたびに電子メールや携帯電話のメールを送り、マーケティングを展開している。3人だった社員は30人に増え、マーケティングチームは「メリーゴーランド」というマーケティング会社を設立、独立した。

 「こうやって『原則通りに』コンサートをやっていると、ストレスもたまります。まだ3回目を終えたところですが、今から4回のオープニングをどうするか考えると頭が痛い」(李文世)

 「歌手と企画会社は基本的にクライアントとエージェントの関係だと考えています。その原則さえ守れば、韓国のイベント文化も改善されると思います」(チェ・ソンウク)

 李文世は「歌手が公演に専念できるようにしてくれたのが『良いコンサート』の最大の魅力」とした。チェ代表は「我が社の精神的な最高経営責任者(CEO)は文世さん」と調子を合わせた。乾杯のために開けたワインが1本、空になっていた。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者
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