魅力的な笑顔で中国大陸に進出する金ジェウォン

 “殺人的微笑”の愛称で親しまれ、10~20代ファンを魅了するタレントの金ジェウォンが29日、中国の北京に向かう。KBSと中国中央電視台(CCTV)が共同制作し、来年5月に両国で同時放送するドラマ『北京 私の愛』の撮影のためだ。

 3カ月と10日間で70分のドラマ20回分を撮影するハードなスケジュールだが、金ジェウォンは「シナリオがとても面白く、何となく良い予感がする」と満足げだった。

 金ジェウォンは今年で満22歳。今回のドラマで演じるナ・ミングクという青年は、中国のスター孫菲菲と韓国のハン・チェヨンの愛を一身に受ける役だ。21日に開かれた記者懇話会で金ジェウォンは、二人の間に座って負けず劣らぬ華やかな笑顔を見せた。

 「子供の頃は『男たちの挽歌』や『カジノ・レイダース』といった香港映画が好きでした。中国映画の美術、中国俳優の演技力は、ある意味私たちよりも優れていると思います。私が出演したドラマが台湾でも放映されましたが、本土進出は今回が初めてです。一生懸命やって本物の韓流(1990年代末から東南アジアで始まった韓国大衆文化ブーム)スターになりたいです」

 金ジェウォンが演じるナ・ミングクは、国内最大手の電子メーカー社長の一人息子だ。遊んでばかりいて、傍若無人で、金を惜しまない世間知らずだ。

 こんな息子を見かねた父親は、部下に命令して中国語を一言も話せない息子を北京に置き去りにする。「死のうが生きようが、自分の力でやってみろ」という意味だ。

 ナ・ミングクは清楚な中国人女子大生(孫菲菲)と多国籍企業に勤める韓国人キャリアウーマン(ハン・チェヨン)の助けを受けて一人立ちに成功し、徐々に自立していくという設定だ。つまりは人の心が微妙に成熟していく過程を見せなければならない役所だ。

「デビューしたての頃、二つのドラマをかけ持ちしたことがありましたが、演技をしているのだか暗記をしているのか分かりませんでした。ロケ現場に向かう車の中でシナリオを覚えるような生活が嫌でした。年明けまでは『北京 私の愛』にだけ専念するつもりです。海外でのロケが多いので、映画のような作品になりそうです」

 実は軽薄なこの二代目の心中には、仕事ばかりで家庭を疎かにした父親に対する反発の思いが隠されており、北京で苦労しながらだんだんと父親を理解し、後を継いで輸出部門で活躍するという設定は、これまで韓国のトレンディドラマで数え切れないほど演じられてきた。

 これを古臭いものにするのも、感動のドラマにするのも、すべては俳優の実力次第だ。金ジェウォンに敢えて「“殺人的微笑”が中国でも通じるか?」と問うと、金ジェウォンはにっと笑った。

 「私が出演したドラマ『ロマンス』が台湾で放送されてから、台湾のファンがかなり増えました。そのファンの人々が送ってくれた台湾の新聞にも『殺人的微笑』って書かれているんです。

中国のファンとも親しくなれることを期待しています」

金スヘ記者
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