「原則的に私たちが互いに相談することはできませんが、監督が一瞬カメラから目を離しました。その隙を狙って…」
18日午後、ソウル市・汝矣島(ヨイド)KBS新館の地下スタジオ。バラエティ番組『ハッピートゥギャザー』(木曜午後11時)の新司会者を務めるコメディアンのユ・ジェソクが、マシンガンのようにギャグを飛ばしている。
この番組の人気コーナー「盆カラオケ」の収録中だった。スコットランド民謡のメロディに合わせて歌を歌いながらミスをすると、ユ・ジェソクが瞬発力を生かして言った苦肉の策だった。
パートナー司会者の金ジェドンはもちろん、歌手のピ、タレント朴イェジンなどの出演者の笑い声が響いた。
テレビ局の秋の番組改編が終わると、ユ・ジェソクは地上波テレビ局全3社で最も忙しい司会者の一人として各局を飛び回っている。
SBSの『テレビ奨学会』、『真実ゲーム』、『実際状況土曜日』、MBCの『感嘆符!』、KBSの『ハッピートゥギャザー』に至るまで、分身が必要なほどに忙しい。長い無名時代を過ごしたユ・ジェソクは、最近の一変した状況をどう感じているのか。
「8~9年ほど無名時代を過ごしました。最近、周りからそんなに忙しくて体が持つのかと心配されますが、実際は使ってもらって本当にありがたい限りです。この瞬間を逃したくないというのが率直な気持ちです」
この頭の回転の速い司会者は「もちろん見る側が飽きないようにしなければと、常に意識している」という言葉も忘れなかった。
隣で後輩の金ジェドンが「故郷の慶尚(キョンサン)道では自分も喋りが上手いと思っていたが、ジェソクさんと会ってからは、足元にも及ばないことを悟った」と口を挟んだ。隣で話を聞いていたコメディアンのチョン・ソンヒは「二人はまるで漫才コンビ」と言って狭いスタジオを爆笑のるつぼに変えた。
ユ・ジェソクに休みの日には何をしているのか尋ねた。MBCの『感嘆符!』で本の紹介をしていることを念頭に置いての質問だった。
「私の人生で最大の変化が起きました。最近、本を読むようになったんです。学生の頃は本当に本が嫌いでした。1年に一冊も読まなかったほどです。この番組に出てからは義務で本を読み始めましたが、思ったよりも面白いんですよ」
李ジェソクは印象に残った本に『ハリー・ポッター』と『モリー先生との火曜日』を上げた。
昨年、満30歳になった李ジェソクは「4カ月前から3年満期の貯金を始めました。この貯金の満期に合わせて必ず結婚します」と冗談交じりの決意を最後に語ってくれた。