最高よりもオリジナルを目指す女優 金ウォンヒ

 彼女は一言で数十人を一度に笑わせることができる女優だった。

13日午後6時、KBS公開ホールの楽屋で金ウォンヒが記者20人の前に座った。KBS第2テレビのバラエティ番組『大韓民国一時間目』の記者会見だった。

 誰かが突然質問した。「ヌード写真集のオファーを受けたことがありますか?」

 金ウォンヒが簡単に答えた。「受けました。3回」。「何と言ってきましたか?」。「“高額”のギャラを提示してきました」。「それで何と答えたのですか?」。「OK。OKだけど背中だけを撮るようにと言いました」

 記者たちが大爆笑した。金ウォンヒも気分良さそうに笑っていた。

 『大韓民国一時間目』はKBSが今秋の改編で「バラエティ番組の公益性を強化する」という目標を掲げて制作した新番組だ。各分野の専門家らが出演して芸能人パネラーに面接のテクニック、上手にメモを取る秘訣、人を和ませる話術など、ユニークなノウハウを紹介する。

 芸能人のパネラーが海外の高校で数日間の体験入学をする「世界の一時間目」コーナーもある。この番組の演出を手がけた李ヨンウディレクターは「勉強嫌いな視聴者でも楽しく学びながら観ることができ、なおかつ観終わった後に『何かを学んだ』と満足してもらえるような番組にしたい」と語った。

 李ディレクターが司会者を選ぶ時に念頭に置いた基準は3つだった。うぬぼれず、自信があり、ユーモアがあること。李ディレクターは「この3つにぴたりと当てはまったのが金ウォンヒ」と言う。

 金ウォンヒ自身は「優秀でもなく、ちょっと足りなく見えるので選ばれたようです」と語った。

 彼女は92年にMBCの公開採用タレント試験に合格した後、『ソウルの月』で田舍者の男(崔岷植(チェ・ミンシク)扮す)に付きまとう貧しい田舍娘のホスンをリアルに演じて一躍その名を知られるようになった。

 時代劇にも多く出演し、その度に「演技が上手い」と絶賛を浴びたが、実際に強い印象を残した番組は『夢の宮殿』、『クイーン』、『泥棒の娘』といったトレンディドラマと、最近終了したSBSのトーク番組『シン・ドンヨプ、金ウォンヒのヘイ!ヘイ!ヘイ!』だった。

 「以前は涙を流すような演技をしっかりと演じて見せたいと思っていました。『金ウォンヒは元気で陽気な演技しかできない』といった言葉にプレッシャーを感じていたので。ところが最近は段々と“最高”よりも“唯一”を目指そうと思うようになりました。最高は多くの人でもなれますが、唯一とは読んで字の如く一人だけです。元気で陽気な人間にしかできない役がどんなに多いことか」

 他の記者が「なぜ女優としてデビューしたにも関わらず、本業(女優)よりも副業(バラエティ番組の司会)に夢中なのか」と質問をすると、金ウォンヒは「こういう質問が一番困る質問なんです」と言いながら、「女優業に専念しなければという強迫観念はありませんが、こうやって指摘されると本業もちゃんとやらなければと思ったりもします」と笑った。

 「どんな役を演じたいか?」との質問に、金ウォンヒは真剣な表情で「宮廷時代劇です」と答えた。

金スヘ記者
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