パガニーニ、クライスラー、サラサーテAヴュータン、エネスコ、ヴィニャフスキー…。名バイオリニストであり、数々の名作を残した大家たちだ。演奏者でありながらも作曲も手がけた彼らの作品をバイオリニストの李ボヨンが3年間をかけてシリーズで演奏する。
『クライスラー1』(20日午後8時/ソウル錦湖(クムホ)リサイタルホール)を皮切りに、2004年に『ヴィニャフスキー、ヴュータン』、『パガニーニ』、『サラサーテ・エネスコ』、『イザイ』、2005年に『アーンスト・ハイフェッツ』、『クライスラー2』の順でそれぞれ公演を行う。
「演奏と同時に作曲もしたバイオリンの大家たちは、私にとってカリスマそのものです。特にクライスラーは私の偶像です。一度は夢うつつに彼の音楽を聴きながら完全に酔いしれてしまった経験もあります。偉大なバイオリニストとしてよりは、さまざまな曲を残してくれたことに対して彼らを尊敬しています」
李ボヨンは「これらの大家たちは実際にどんな音になり、どの指で演奏するかを分かって作曲をするため、想像だけで作曲をする普通の作曲家とは区別される」とし、「彼らの作品には威張るような印象よりも、音楽的に流れるような美しさを聴衆と分かち合うといった側面がさらに強いので自然と惹かれるようになる」と語っス。
演奏と作曲を手がッる大家たちに対する李ボヨンの愛着は、自らが演奏をしながら編曲活動を活発にしてきた個性的な音楽世界と決して無関係ではない。
李ボヨンはポップソング、映画音楽、ミュージカルなどの約30曲を編曲し、弦楽四重奏、ピアノなどのさまざまなバージョンで演奏してきた。
李ボヨンは「今回のシリーズ演奏では、私が編曲した曲をアンコールで披露する」とし、「聴衆には楽しさを与え、私にとってはアイデンティティを探す舞台になる」と語った。
今年で32歳の李ボヨンは、88年のソウル芸術高校2年生の時に東亜(トンア)コンクールで大賞を受賞し、ジュリアード音楽院と同大学院を卒業した。室内楽団のドム・アンサンブル、ファウム・チェンバーの団員として、また李ボヨンが99年に創立した伽揶弦楽四重奏団のリーダーとして活躍し、室内楽を中心に活動してきた。
李ボヨンは「一人で独奏活動をすれば精神的には一番楽だが、仲間たちとアンサンブルを通じて交感することこそが重要だ」と語った。
このシリーズコンサートの伴奏者には、ピアニストの李ソウン、アン・スヒョン、チョ・ジヒョン、リュ・リ、ピ・ギョンソン、ノ・エリ、ギターリストの金ソンフンが相互に出演する。問い合わせ(02)720-5114。