李滄東長官「スクリーンクォーターは国益の問題」

 「私が映画界の出身であるがために、映画界の利益のみを代弁しているという単純な見方に非常にもどかしさを感じる」

 李滄東(イ・チャンドン)文化観光部長官が最近、映画界の最大の論点として浮上したスクリーンクォーター制(国産映画の義務上映制度)の縮小論議と関連し、朝鮮日報とのインタビューを通じて自身の立場を明らかにした。

 李長官は先月22日、担当記者らと共にした会食の席で「スクリーンクォーターに対する質問は受け付けない」と口を閉ざして以来、今回のインタビューを通じて初めてメディアに対して口を開いた。

 李長官はまた「私は国務委員としてこの問題を国益の観点から深刻に受け止め、政策決定に反映しようと考えているだけで、それ以上のことでもそれ以下のことでもない」と語り、文化観光部の長官としてよりは“国務委員”としての立場を強調した。

 こうした李長官の発言は、6日にスクリーンクォーター死守映画人対策委員会が「大統領府と親米官僚らは、映画人と国民の合意なしのスクリーンクォーター縮小に対する発言を撤回せよ」と主張し、ハンガーストライキと大規模な屋外集会を宣言した直後のものだ。

 就任当初、「特定メディアの個別取材には応じられない」とメディアをシャットアウトした李長官は、最近再び関心が高まっているスクリーンクォーターに関する意見を聞くための朝鮮日報の取材要請を強固に拒否してきた。

 長官室を訪ね、京畿(キョンギ)道・一山(イルサン)にある自宅を2回訪ね、午前0時過ぎまで待とうが、一切を拒否した。李長官とのインタビューは書面による質疑応答という形で実現した。

-スクリーンクォーターを一日たりとも減らすことはできないというのが文化観光部の立場だが、もし大統領府が縮小に着手した場合、どう対処するのか?

 「この問題に関しては、万が一の場合を想定してここでコメントするのは適切ではない。ただ、文化観光部の立場には変わりがないが、この問題に関する多くの論議が行われていることは事実で、文化観光部としては社会的合意を導くことに努力している」

-スクリーンクォーターが縮小または廃止されれば、一部で予想されている通り、長官職を辞任するのか。長官は映画監督時代に文化観光部を訪問して「もしスクリーンクォーターが縮小または廃止された場合、長官を辞任する覚悟をするように」と発言したことがあるが。

 「私が映画界の出身だからといって、映画界の利益だけを代弁していると判断する単純な見方や、スクリーンクォーター縮小のために長官職を辞任するといった上辺だけの関心でこの問題を判断する認識には、もどかしさを感じる。私は国務委員として当然この問題を国益の観点から深刻に受け止め、政策決定に反映しようとしているだけだ」

 スクリーンクォーター死守映画人対策委員会のチョン・ジヨン執行委員長は、6日に行った記者会見で「最近、李長官に会ったが、李長官が『大統領府の意向を正確に理解できない』と話していた」と伝え、「スクリーンクォーター問題と長官職を関連させる問題は、本人が判断すべきこと」と語った。

-盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が先月19日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でスクリーンクォーター縮小に関する発言をしたのに続き、李廷雨(イ・ジョンウ)大統領府政策室長が「スクリーンクォーターの比率を現行の40%と米国側の要求の20%との間で、一刻も早く妥協すべき」と繰り返し主張している。

 20~40%間で、どの程度の線で妥協しなければならないのか?

 「スクリーンクォーター縮小は、単純に外資誘致や韓米投資協定締結の次元で考えず、映画と文化産業の潜在力、文化のアイデンティティーと多様性を守ろうという政府の意志などを総合的に検討しなければならない。

そのため、この問題は政府レベルで簡単に妥協したり、結論を下す事案ではないと考える」

金泰勲(キム・テフン)記者
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