中堅作家の韓万栄(誠信(ソンシン)女子大学教授)氏の展示は、空が高くなる季節、つい視線が遥か遠くに向きがちな秋とよく似合う。超越的、冥想的、詩的な雰囲気がふんだんに漂う作家の絵の展示されたギャラリーは、観客が時間の旅に出発するプラットホームだ。
神秘的な緑のキャンバスに羽毛や羽などが登場する作品の前で、観客は度々ベルギーの超現実主義の画家、ルネ・マグリットを想像する。韓万栄氏とルネ・マグリットの絵は共に目の前に開かれたイメージを超越する神秘性を持っているからだ。
「現実と超現実を合わせた観照であり解脱」と韓氏は作品を紹介する。作家が地色として好む色は清明な空色だ。最も想像を刺激する奥深い色だからだ。
「空や海を眺める時、人は想像の羽を広げます。私は作品を通じて想像のドアをそっと開けます」
韓万栄氏はアングル、ピカソ、謙斎(キョムジェ)・チョン・ソンの有名な絵を模写したりもした。
それは過去を現在に呼び込むためだ。「時間を過去、現在、未来に区切ることはできません。時間は繰り返し循環するからです」。テーマは変わらないが、新たな『時間のコピー』シリーズでは、ぼんやりしたシルエットだけで形象を表現する。
「今にも消えそうな線であると同時に、徐々に姿を現わす生成の線でもあります」
過去の名作と電気コードなど、日常的なものを並べて配置させ、循環する時間を語る作家は、銀色の塗料を塗った本をキャンバスに付着させ、サイバー世界をも描く。24日~11月14日、ピョ・ギャラリー。問い合わせ(02)543-7337。