「テレビ出演ができなくて懐が底をついたので、精米所でごま油を作ってお金を貯めました」
全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領に似ているという理由で、80年代にテレビ出演を禁止されたタレントの朴容植(パク・ヨンシク/57)さんが、28日、貯金の日の記念式で大統領表彰を受けた。
朴さんは1980年に新軍部が政権を掌握して以来、約10年間にわたってテレビ出演を禁止された。
朴さんは「どっちにせよタレントという職業は安定した収入がないので、通帳に金がなくなれば常に心細かった」とし、「出演禁止になって精米所を構えて苦しい生活をしたが、お金が手に入れば、とにかく真っ先に銀行へと直行した」と語った。
現在、朴さんは一部の不動産を除いてはすべて銀行に貯蓄しており、一度貯金した現金は決して下ろさない働き蟻のような性格だという。
「一発狙いの世相が蔓延っている最近では、私のように貯金ばかりをする人間は間抜けだと思われるでしょう。それでも大きく欲張らずに一生懸命生きる人にとっては、貯金だけが信じられる最後の砦です」
こうした事情で朴さんは周囲の仲間たちにも積極的に貯金を勧めるなど、芸能界でも“貯金礼賛論者”として知られている。
1980年代の苦難の時代を除いては、この20年間に一度も借金をしたことがないという朴さんは「特別お金を活かす能力もないので、これからもお金が手に入れば老後のために地道に貯金だけをするつもりです」と語った。