綿菓子のようなラブストーリー『春の日のクマは好きですか?』

 ディスカウントストアーで働くヒョンチェ(ペ・ドゥナ)は大雑把な性格のせいで、紹介された男性に毎回ふられている。

 ある日、彼女の前に幼なじみのトンハ(金ナムジン)が現れる。地下鉄運転士として働くトンハはヒョンチェに恋心を抱いているが、ただの友達として扱われ、悩んでいる。

 そんなある日、ヒョンチェは図書館で借りた画集から愛を告白するメモを発見し、誰が自分に書いたのか気になるようになる。

 美しい画集に書かれた素敵なラブレターと歌手ユン・ジョンシンのムードあるバラード、真夜中の電話でインスタントラーメンが食べたいと言えば、すぐさま駆けつけて作ってくれるロマンチックな男性まで、『春の日のクマは好きですか?』(24日公開)は甘いラブストーリーで溢れている。

 この映画でデビューしたヨン・イ監督は、絵の中に俳優が入り込む想像シーンを映画の随所に挿入するだけにとどまらず、韓国映画史上初めて全シーンの色をデジタル処理し、童話的な映像をつくり出した。

 しかし、『春の日のクマは好きですか?』は年齢層と好みではっきりと評価が分かれそうだ。

 感傷的なタイトルから、どこまでも“純粋”な登場人物まで、基本的に10代向けの恋愛映画のように思われる作品は、才気と稚拙さ、かわいらしさと気恥ずかしさの間を行ったり来たりする。

 22歳の肉体に14歳の心を持っているかのような主人公たちを含め、この映画の登場人物全員が、年齢に関係なくオーバーな演技を展開する。その姿は時にはかわいらしいが、多くの場合は見ていて負担になる。

 それでも『春の日のクマは好きですか?』は後半以降、その目的を達成する。ミステリーチックなモチーフの終着点は、ストーリーが進むにつれてある程度予想できるが、十分に印象的で暖かみがある。

 そして、真心さえあれば誰でも愛を手に入れることができるという結論!ファンタジックな綿菓子のようなラブストーリーに、これ以上似合うメッセージはどこにもないだろう。

李東振(イ・ドンジン)記者
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