「戦争を知らない韓国の若者たちに、キャンドルデモに参加する前にこの本を先ず読んでもらえたらと切に願います」
13日、ソウルの英国大使館では、50年ぶりに翻訳された一冊の本のためのイベントが行われた。その本は韓国戦争当時、28カ月間にわたって大尉として参戦、中国軍統治下の捕虜生活を体験したアンソニー・ファーラー・ホックリー将軍が著者の『韓国人だけが知らなかった青いアリラン』(原題『The Edge of the Sword』/韓国言論人協会)。
この本の翻訳者である(株)ウイルの金永日(キム・ヨンイル/65)代表取締役は「今までにこれほどまで鮮烈な戦争体験の記録は見たことがない」と語った。
地形学を専攻、米国で教授を歴任し、インドネシアのマドゥラ油田の開発にも参加した石油専門家である金氏が、この本と初めて接したのは10年前。英国大使館のある集まりで著者のホックリー将軍に直接手渡された時だった。
無心に広げた本を一晩中手放すことができなかったと言う。零下40度の凍土で拷問される極限体験をし、7回の脱出を試みる話が生々しく綴られていた。
「物凄い記憶力と筆力でした…。読む者がまるで現場にいるような感じを受けるほどだった。本能と尊厳性の間で人間が耐えることができる限界がどこまでかと考えさせられました」
翌日すぐにホックリー将軍に電話をした金氏は、「それならあなたが韓国語に翻訳しなさい」と言われたが、事業が多忙でペンを取る時間がなかった。しかし、最近の韓国社会の混乱を目のあたりにしてからは「これ以上は黙っていられない」と翻訳を決意したという。
「決して戦争を擁護する本ではありません。戦争が何であるかを正確に知ることで、自由と平和の大切さを悟らせるのです」。