訪韓したディズニー社のミュージカル制作部門社長 シューマーカー氏

「全人類が共感できるミュージカルを」

 「子供より賢明な観客は世の中にいません。子供たちは他の人々がどう公演を観ようとまったく関係なく、自分たちが観たいようにするだけです。ミュージカルはそんな率直な観客のために作られなければならなりません」

 8日、ウォルト・ディズニー社のミュージカル制作部門の会社「ディズニー・シアトリカル・プロダクションズ」の代表、トーマス・シューマーカー(45)氏が、来年公開される『美女と野獣』のソウル公演を控え、訪韓した。

 トーマス・シューマーカー氏は「過去10年間、世界のミュージカルシーンを独占した『レ・ミゼラブル』、『キャッツ』など“ビッグ4”ミュージカルは、全人類が共感したのが特徴だった」とし、「ウォルト・ディズニーも全人類が共感するテーマを扱い、家族という重要な価値がさらにプラスされているので、アジアやアフリカ地域の観客すべてを魅了できる」と語った。

 「ブロードウェーには人気の高いコメディーミュージカルが多くありますが、米国以外の国の観客がまったく同じように理解するのは難しいことです。ディズニーミュージカルの強みは、まさにこの点にあります。家族、共同体、そして愛がすべての作品に共通して含まれています。これらはすべての国で必ず重要視するテーマです」

 『レ・ミゼラブル』、『キャッツ』、『オペラ座の怪人』、『ミス・サイゴン』といった、いわゆる“ビッグ4”のうち、現在『オペラ座の怪人』を除いた3つはニューヨークで幕を閉じた。その空席を埋めるのがコメディーと復古調ミュージカルだ。

 そしてウォルト・ディズニー社が作ったファミリーミュージカルが最近、映画に引けを取らないブームを巻き起こしている。

 米国ミュージカル界最高の賞である「トニー賞」で『ライオンキング』は98年に6部門、『アイーダ』は2000年に4部門で賞を受賞した。この3作品のすべてがブロードウェーで客席シェア順位7位以内に入っている。

 トーマス・シューマーカー氏は「ウォルト・ディズニー社のミュージカルで赤字を記録した作品は一本もなかった」とし、「現在、『メリーポピンズ』と『ターザン』を制作している」と語った。

 トーマス・シューマーカー氏は「ウォルト・ディズニー作品の最も重要なテーマは『私は誰か?(Who am I?)』」と付け加えた。

 「私が最も好きなディズニー映画は『ムーラン』で、その次が『リロ&スティッチ』なのですが、2本とも「私は誰か?」ということを問うことに焦点を置いています。

人々のアイデンティティに対する悩みを描いたミュージカルこそが、今後ウォルト・ディズニーが扱って行く分野なのです」

李圭鉉(イ・ギュヒョン)記者
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