チョ・スミが正統オペラ・アリアのリサイタルを開催

 「チョ・スミが正統オペラのアリアだけでリサイタルを行う?事実なら、それは事件だ」

 ソプラノ歌手のチョ・スミが国内舞台でミュージカル、ジャズなどのクロスオーバー公演に重点を置いてきたがために出た冗談だ。

 チョ・スミ自身はこの“邪道”について「2000年以降、サッカー・ワールドカップ韓日大会、アジア大会、ユネスコ広報使節、米国移民100周年などの際、大衆にアピールする舞台に頻繁に上がったが、私の本分であるコロラチュラ(技巧派)ソプラノは一時も忘れた事がない」と言う。

 冗談が刺激になったのだろうか、そんなチョ・スミが正統アリアのみでリサイタルを行う。

 オペラ『ランメルモールのルチア』の『狂乱の場』、『ハムレット』のオフィリアのアリアなど、コロラチュラにドラマチックさをも加えた骨太なレパートリーのみで構成する。

 舞台は10月5日、ソウル市内の芸術の殿堂コンサートホール。ソウル公演に先駆け、25日に清州(チョンジュ)、27日に春川(チュンチョン)、30日に釜山(プサン)、10月2日に大田(テジョン)でもそれぞれ公演を行う。地方公演ではアリアと歌曲、ミュージカルナンバーを共に披露する。

 「今回のソウルでのリサイタルは、これまで私に不満のあったクラシックファンに許しを請う公演です。恐らく今年の公演スケジュールの中で最もエキサイティングな舞台となるでしょう」

 今月22日にイタリアのローマから帰国したチョ・スミは「ファンとは今年の5月に行われたサッカー・ワールドカップ韓日大会の1周年記念公演以来4カ月ぶりですが、今回の公演は本当に久しぶりの正統的なクラシック舞台なので特別に感じる」と語った。

 チョ・スミがソウルの舞台で歌うアリアは『狂乱の場』など。オペラに登場するヒロインが悲惨な運命と悲恋の痛みに耐えるのみでなく、激しい狂気を表現したクライマックスだ。華麗な技と高難度の高音発声のため、声楽家らが舌を巻く曲の数々だ。

 チョ・スミは「『狂乱の場』を相次いでライブで歌うことは、マリア・カラスもジョーン・サザーランドも試みたことのない新たな挑戦」とし、「声だけではなく、全身で表現する音楽が創りたい」と語った。

 チョ・スミは40度を超える猛暑をローマの自宅でエアコンもなしに耐え、新作を準備するために敢えて辛い夏を送ったと言う。ロシアで再び学び、身に付けた新しいオペラ『金鶏』を11月にモンペリエ劇場で公演する。

 ソウル公演が終われば、ドイツのベルリンオペラ劇場の『ホフマン物語』で3人のヒロインの役すべてを歌う。再来年には『ホフマン物語』で韓国のオペラ舞台にも登場する予定だ。

金龍雲(キム・ヨンウン)記者
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