プロ野球シーズンも終盤を迎え、光州(クァンジュ)ムドゥン競技場野球場の一塁側スタンドが最近、大変賑わっている。
ホームチームの起亜(キア)タイガースが、シーズン後半に入ってから勢いを増し、優勝争いをしているからだという分析もあるが、他の理由を挙げる野球ファンが多い。
一塁側スタンドの前には、回が終わるごとに5人のチアリーダーが舞台に上がり、観客の応援を盛り上げる。しかし、これらチアリーダーに混ざり、真ん中の位置にひときわ目立つ身長131センチのちびっ子ダンサーがいる。
お姉さんチアリーダーと一緒に情熱的なダンスを披露する8歳のちびっ子チアリーダーの可愛いダンスに、観客たちは釘付けだ。
今シーズンの初めから舞台に上がり、いつの間にか光州ムドゥン競技場の名物となったこのちびっ子チアリーダーは、小学校2年生の金ソヒョン(ファスンマニョン小学校)ちゃん。ソヒョンちゃんは起亜のホームゲーム2試合に一回の割合で舞台に立っている。
起亜タイガースの球団関係者は「ソヒョンちゃんがいない日には、いつちびっ子チアリーダーが登場するのかと尋ねる観客が増えている」と語った。
ソヒョンちゃんは去年末、起亜タイガースのチアリーダー「ダンシング93」が運営するジャズダンススクールKねた際に一目で彼女の隠れた才能を見抜いたハン・ヘラン(女性/33)団長の誘いで、公開オーディションを経てチアリーダーになった。
ハン団長は「まだ幼いが、ダンスの動きをマスターする速度が早く、ルックスも可愛いので、お母さんにチアリーダーになることを勧めた」とし、「練習の時は恥ずかしがりやで大人しいが、一度舞台に上がれば表情と動きが本当に自然で華麗になる。ソヒョンは本当に舞台に向いているみたい」と語った。
ソヒョンちゃんは自らも「野球場の舞台に上って沢山の人の前で踊ると、ただ練習している時よりずっと楽しい」と話した。
「5、6歳の頃から感性が豊かな子だって感じていました。少しでも悲しい物語を聞かせると、涙をポロポロこぼすんです」
母親の羅慶姫(ナ・キョンヒ/33)さんは、「あの子の希望と素質を活かすために、小学校に入学してすぐ演技学校に通わせ、全国の公開オーディションも受けさせた」とし、「普段は内気で口数も少ないが、舞台に立つとガラっと変わってしまう」と話した。
ソヒョンちゃんは勉強のために塾に通う暇がない。英語教室以外にも演技教室、ジャズダンス教室、チアリーダー活動など、強行軍を続けねばならないためだ。
両親はひとりっ子のソヒョンちゃんをさらに強く育てるために、全羅(チョンラ)南道・和順(ファスン)の自宅から演技・ダンス教室のある光州(クァンジュ)まで、一人で行き来させている。
しかし自分が好きでやっていることだからか、楽々とこなしている。むしろ帰宅が遅れそうな時は、大人から携帯電話を借りて「今帰るところだから心配しないで」と母親を安心させる考え深い子だ。
母親の羅さんは「勉強は直ぐに飽きてしまうが、街を歩きながら気に入った歌が聞こえると、もうその場で踊りだすくらいダンスが好き」とし、「低学年の時はチアリーダー活動をさせ、演技とダンスの勉強を続けさせるつもり。将来は演技者になれるよう、支援したい」とした。
初めは演技の勉強に強く反対していた父親の金正浩(キム・ジョンホ/40)さんも、先日野球場で踊っている瑞賢の姿を見てからは、積極的なスポンサーに変わった。
「演技とダンス、歌何でも上手なタレントになりたいです」
歌手の李ジョンヨンと女優の全度妍(チョン・ドヨン)が好きだというソヒョンちゃんのしっかりした夢だ。