米国で韓国の美を伝える秋順子画伯 

 行きたくても簡単に行くことができない祖国韓国。望郷の心を慰めるために元老韓国画家の秋順子(チュ・スンジャ/女性/70)画伯は、海外の同胞を対象に無料で山水画講習を行っている。

 米カリフォルニア州オレンジカウンティの州教育センターで週に2~3回ずつ開かれる講習会には、30人余りが集まる。ほとんどは60歳以上の人々だが、彼らの学習熱はどの若い世代にも劣らない。秋画伯の山水画講習は2年前に米国移民をした直後から始まった。

 「最初は暇つぶし程度で始めました。州教育センターで山水画の受講生を募集すると言うと、すぐに同胞の人々から電話がきました。何人かの人を集めてまず四君子から教えたのですが、皆さんとても喜ばれたんですよ。どこに住もうと韓国の人々は共通した情緒を共有しているようです」

 四君子から彩色画まで、また初歩的だが山水画へと進度を進めながら、これまでに講習を受けた人だけでも100人に上り、講習生の数は順調に増え続けている。週に2~3回行われる講習のために、バスを4回も乗り換えて何時間もかけて来る熱血派もいる。

 秋画伯は「恐らく山や小川の水を描いて故郷を思い出すことができる楽しみがあるためだろう」と語った。

 講習料はすべて無料。花仙紙や筆などを簡単に入手できない米国であ驍スめ、ほぼすべての材料費が韓国の5倍ほどになるが、筆を取る同胞たちの情熱的な目を見ると、その程度の負担は喜んで受け入れることができると秋画伯は語る。

 「できれば体が許す限りは講習を行いたいですね。今は高齢の移民1世代の人々が多いですが、移民2世代、そして3世代の人にも韓国の伝統を教えなければならないという義務感があるんです」

 90年に行った朝鮮(チョソン)日報美術館での個展以来、13年ぶりに行う古稀展(24~30日/ハナロギャラリー)のために韓国を訪れた秋画伯は、一日に何度もかかってくる弟子たちの電話に「展示会を終えたら、すぐにでも帰らなければいけないみたい」と笑った。

温宗林(オン・ジョンイム)記者
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