伝統の漁法で捕る『竹防ミョルチ』



 ミョルチ(カタクチイワシ)を小さい魚だと思って侮ってはいけない。
韓国では、ミョルチも品格によってランク付けられることがある。出汁に使われる下っ端のミョルチがあれば、王様の御膳に供された“貴族ミョルチ”もある。

 慶尚(キョンサン)南道・南海(ナムへ)郡に行けば、この特別なミョルチに出会うことができる。南海郡・三東(サムドン)面・昌善(チャンソン)橋の周辺の只族(ジゾク)海峡で、伝統の漁法によって捕られる『竹防ミョルチ』がそれだ。

 海峡の水の流れが激しい只族海峽のあちこちには、干潟にクヌギの柱を立て、竹棒を玉すだれのように組み合わせた『竹防簾(チュクバンリョム)』が設けられている。



  数百年伝統の『竹防簾』は、狭い水路に激しい潮の流れる方向へ、扇の形に木の網を広げて魚を捕る昔ながらの漁法で、『竹網釣り』とも呼ばれる。

 只族海峡の潮に乗って移動するミョルチの群が『竹防簾』に閉じ込められると、潮が引く時を見計らって竹筒の中から掬い捕る。

 特に『竹防簾ミョルチ』ヘ、齡ハの網で捕るミョルチより鱗の損傷が少なく、弾力のある歯応えが美味であるため、高い値で売買される。

 捕らえられたミョルチは、10分以内に埠頭に運ばれ、大釜の中で茹でられる。沸騰した熱湯の中で5分間茹でられたミョルチは、青空のもとで慎重に天日干しされる。

 後は選別過程さえクリアーすれば、産地でも最高30万ウォン(2キログラム)で取引されるなど、“高貴な身分”に早変わりする。

スポーツ朝鮮/金ヒョンウ記者
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