伝説によるとマンドゥ(饅頭)の発案者は、三国志で有名な蜀の軍師、諸葛亮孔明(181~234)だということになっている。
孔明が南征の時に川が氾濫していて渡れず、人の頭を河神に捧げれば鎮まるという地元の風習を聞き、人頭の代わりに羊豚の肉を小麦粉で作った皮で包んだものを人頭に見立てて捧げたというのが饅頭の始まりであるという。
ソウル・延禧(ヨンヒ)洞にある饅頭専門店の『鴻福(ホンボク)』で売っている王饅頭(ワンマンドゥ/4500ウォン)は、少し大げさに言えば、人頭に見立てたという饅頭の起源が実感できるくらい大きい。
一人前を頼むと饅頭3つが出されるが、一人では到底食べきれない。
刻んだ豚肉、干し大根、ニラ、ネギ、玉ねぎ、キノコ、揚げ豆腐、刻んだ春雨などの具を、充分熟成させた厚い饅頭皮で包んでしっとりと蒸される。大きな饅頭を半分に割ると、中から中国酒、キノコ、コショウが溶け合った美味しそうな香りが漂ってくる。
豚肉を取り除いた野菜王饅頭(4500ウォン)は、豚肉の味を補充するために干し海老を刻んで入れた。揚げ豆腐とキノコ、春雨などがより克明にその味を主張している。
『鴻福』の店が狭いことを知っている馴染みの客は、饅頭を電話で注文するかテイクアウトして帰る。王饅頭をテイクアウトすれば、3000ウォン(3つ)で、店で食べるより1500ウォンも安い。