19歳でデビューした李スヨン(23)は、これまでにアルバム4枚をリリースした。面白いのはアルバムをリリースする度に以前のアルバムよりもセールス枚数が増えているという点だ。
李スヨンが5thアルバム『This Time』をリリースした。一度もスランプに陥らず、地道に人気を獲得してきた李スヨンが、その勢いをどこまで維持できるか、不況に喘ぐ音楽業界が注目している。
「今回は私のアルバムの中でも、最もベストを尽くしたと思います。一度で終わった作業が一つもありません。歌、楽器編成、アルバムジャケットのメッセージに至るまで、修正に修正を重ねました」
李スヨンは「今まで私の歌を支持してくださったファンの皆さんの愛情に対する恩返しをした」と語った。李スヨンの企画会社側は「104人編成のオーケストラをレコーディングに動員し、スタジオで900時間以上を過ごした」とした。
李スヨンは熱唱タイプの歌手ではない。その代わりに優れた曲を多く選び出し、その曲に合った声で歌うという評価を受けている。
演歌歌手の鼻にかかったような歌声が程よくマッチした李スヨンの歌唱テクニックは、大衆的な感性に訴える面がある。一曲、二曲とヒット曲を生み出す度に、ファンは李スヨンの新しいアルバムにかける期待を高めてきた。
「一度に大ヒットした曲よりも、徐々に私の曲を好きになってくださる方が多いので、本当に感謝しています。私が驕慢にならないように、少しずつ努力する度に支持してくださっている。本当にありがたいですね」
ニューアルバムのタイトルトラック『トングロニ(ぽつんと)』は、アコースティックギターと大型オーケストラの伴奏で歌ったミドルテンポのロックナンバー。バラードではないソフトロックを歌っているのが新鮮だ。『愚迷姫』は李スヨン自身が楽しんで歌ったバラード。中国風の伴奏に、歌う度に鼻にかかったように歌い上げる李スヨンのテクニックが際立つ。
李スヨンは特に『Wanna Bigman』と『Sunshine』を聴いてほしいと語った。 『Wanna Bigman』はファンキーなリズムのブルース。曲全般に流れるコーラスと共にブラックミュージックの感性に挑戦した。
『Sunshine』はブラスバンドの演奏に合わせたラテンリズムのダンスナンバー。李スヨンは「2曲共に初めて挑戦するジャンルなのでぎこちなく、かつ新鮮な印象を与えるかも知れない」と語った。
李スヨンは来年1月、日本にも進出する。現在、曲の準備作業が進められており、日本語歌詞でシングルをリリースする予定だ。