社会全体においても「世代の葛藤」が問題だと言われている今日この頃だが、MBCテレビの水・木ドラマ『前の家の女』ほど、世代間で好き嫌いがはっきりと分れた作品はなかった。
この論争的作品が21日、12回の放送で最終回を迎える。ソウルの平凡なマンション団地を舞台に、30代夫婦3組の6人が、それぞれ誰かに心を奪われてしまうというストーリーだ。
主人公のミヨン(ユ・ホジョン扮す)、エギョン(ピョン・ジョンス扮す)、スミ(チン・ヒギョン扮す)のそれぞれの恋愛物語がどのような形で締め括られるか、“アジュンマ(おばさんの意)”たちの関心が集まっている。
全国の視聴者を大いに沸かせた主人公は、作家 朴ウンリョン(36)さんだ。彼女は汝矣島(ヨイド)のMBCテレビの事務室で静かにパソコンを打っていた。
梨花(イファ)女子大学国文学科卒業後、放送作家として活動し、結婚後は「論述講師」に変身、塾で働いた。昨年、ドママ作家の公募に当選して再度、汝矣島入りした彼女は、初の長編ドラマ『前の家の女』で、一気に地上波3社の水木ドラマ市場を制圧した。
朴さんは、ドラマの中で最もお気に入りの台詞として、「ふざけるなよ、大韓民国のアジュンマを甘く見るんじゃないよ」を選んだ。
ドラマの序盤、建設会社に再就業した専業主婦のミヨンが、この上なく生意気な若いキャリアーウーマンを懲らしめた後、吐く台詞だ。
このドラマでは、美容師の妻に依存する専業主夫の夫が「お願いだから、ストッキングをぐるぐる丸めて脱がないでくれよ」と小言を言い、不倫を楽しんでいる主婦が「私はデートを楽しむ度に、ガラスの瓶に小石を一つずつ入れるの。それで小石が20個になったら、男を変えるのよ」と話す。
そのため、性別と年齢別に、視聴者の反応も分れる。30代後半以上の男性視聴者が最大の“アンチ勢力”だ。
朴さんは、「長年一緒に暮らしてきた家内が、憎くめない程度に愚痴をいう、という気分でドラマを観て欲しい」と注文した。
「失業したり、閑職に回され、気苦労する男性たちを多く見ました。『まったく、もう~』と小言を言いながらも、実は胸を痛め、切なく愛しく思うのが女性たちの心なのではないでしょうか」
あるファンがアンチ勢力に対抗して掲示板で“予防接種論”を展開した。「釣った魚に餌をやらないと、家庭が破綻する恐れがあるという教訓を与える」というのだ。朴さんもこの主張に首を縦に振った。