訪韓した人気少女漫画『キス』の作家 マツモトトモさん

 『キス』、『23:00』などで国内の少女漫画ファンにもお馴染みの日本の漫画家、マツモトトモさんが、ソウル国際漫画アニメーションフェスティバルに参加するため、訪韓した。マツモトさんは今月15日に行われた読者サイン会にも参加した。

 『眠る姫』でデビューしたマツモトさんは、16歳の少女と彼女にピアノを教える20代の男性教師の愛を描いた『キス』(全8巻)をヒットさせ、新作が出版される度にベスト10内に入る人気作家だ。

 日本だけで160万部の発行部数を誇るこの作品は、韓国でも25万部以上の販売を記録し、マツモト漫画のマニア層を形成している。

 「私の作品を読んだ韓国の少女ファンから多くのファンレターを頂いているので、韓国のファンのことを大切に思っています。現在、韓国と日本の少女漫画雑誌に『美女が野獣』という作品を同時連載しているほどです」

 マツモトさんは「人々は漫画を容易いものだと思っているが、実際は大衆的ながらも常に新鮮さを提供しなければならない生き残りの難しいジャンル」と語った。


 「この漫画家はいつもこの画を描く」という独自の先入観を壊すためには、新作を出す度に新しいことをしなければならない。日頃の取材だけがそれを可能にする。マツモトさんは「デビュー当時の10年前には、私の感覚は読者と似通っていたが、今は若い世代の感覚を理解するために特別な努力が必要」と語った。

 このために若者向けのテレビ番組を熱心に観ると言う。中でも街行く人を出演させるような番組は、若者の感覚をダイレクトにキャッチできるため最適だそうだ。

 マツモトさんは「韓国の漫画市場が不況だという話を聞いた」とし、「漫画が活性化するためには、新しくて面白い創作物がたくさん出なければならない」と指摘した。

 「韓国の書店に行って見たんですが、創作物よりは教養漫画の方が強いみたいですね。漫画のバラエティーさを活用して知識を得ようとする韓国人の進取的かつ実質的な考えが反映されたんだなと思いました」

 マツモトさんは「多様性という側面から、韓国の教養漫画ブームは日本の漫画界も注目すべき」とし、「漫画はやはり創作が重要だと考える」と強調した。

 「素晴らしい漫画が登場してこそ、漫画の底辺が確固たるものになるから」というのがその理由だ。

金テフン記者
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