なぜ「納涼特集」と銘打った番組は、どれもホラー映画なのか。
恐怖を感じる時、私たちの体の中にある交感神経は全身に「危険が迫っている!緊張しろ!」という信号を送る。すると瞳孔が大きく開き、心拍数が増加して血圧が上昇する。そして皮膚のすぐ下を流れる血管が縮み上がる。結論として恐怖は納涼効果があることが分かる。
ケーブルテレビの映画専門チャンネル「OCN」が、12日から15日までの毎日午前1時から、90年代以降に映画館街で大ヒットを記録した韓国ホラー映画4本を放送する。改めて忠武路(チュンムロ/韓国映画の中心地)発のホラー映画が、ハリウッドのものよりも恐ろしいということを印象づけた作品だ。
12日午前1時から放映される『カウィ』は、アン・ビョンギ監督の2000年の作品。嵐の夜、病院の霊安室で初老の男が自殺した女子大生(ハ・ジウォン)の目を針で縫うオープニングシーンからして、恐ろしさこの上ない。息を呑むような残酷なシーンが多く、度々「キャー」という悲鳴が木霊する。
アン・ビョンギ監督とハ・ジウォンは昨年、ホラー映画『フォン』(日本公開タイトル『ボイス』)で再び手を組んだ。
13日に放映される『海辺へ行く』も2000年の作品で、ヤン・ドングンが主演した。まだブレイク前で、今よりも生き生きとして勢いのあるヤン・ドングンの姿を見られる。
浜辺の人里離れた別荘に宿泊したパソコン通信同好会のメンバーが、次々と殺人鬼に殺害されるという内容だ。はさみで首を切りつけるシーンをはじめ、血なまぐさいシーンが終始登場する。公開当時はハリウッド映画の『スクリーム』や『ラストサマー』の韓国版という評価を受けた。
14、15日には『女子高怪談』の1作目と『カル』が放映される。
98年に李美妍(イ・ミヨン)と金ギュリが主演した『女子高怪談』は、韓国ホラー映画ブームの火付け役となった。ある女子高に9年前に自殺した女子高生の霊が出没するという設定で、恐怖と悲しみを同時に描いた秀作だ。
99年に発表された『カル』は、奇怪な連続殺人事件を素材にした。連続殺人犯を追う警察官(韓石圭(ハン・ソッキュ))が、死体の入った巨大なガラスの水槽を割り、ホルマリンの中でもがくラストシーンが印象的だ。
映画が終わってテロップが流れる頃には交感神経は緊張を緩める。激しく緊張した分、暑さが遠のく瞬間だ。