全羅(チョンラ)北道・ 鎭安(チンアン)といえば馬耳(マイ)山や風穴、冷泉など、神秘的な名所の数々で有名だ。
馬耳山は、馬が耳を立てたような形の雌雄2つの峰から成り、山のふもとにある数十本の巨大な石塔が、霊山としての威厳をさらに高める。されど、夏の間魔法のような自然現象が織り成す「風穴-冷泉」の神秘に勝るものはない。
摂氏30℃の暑さにも、蟾津(ソムジン)江の川筋にある大豆(テドゥ)山のふもとは、3℃程度の涼しい冷気に包まれ、氷のような冷たい清水が湧き出る。
全羅北道・ 鎭安郡・聖寿(ソンス)面・佐浦(ジャポ)里・ヤンファ村にある風穴と冷泉は、朝鮮時代から広く知られた場所だ。風穴は岩の中から冷たい風が吹いてくる穴で、冷泉は真夏にも手足が痺れるくらい冷たい水のこと。
特に冷泉の水は、韓方名医の許浚(ホジュン/1546~1615)が薬を煎じた水として知られ、胃病や皮膚病に効果のある名薬として有名だ。
風穴や冷泉のある場所には、必ず近くに温泉があると言われている。鎭安も例外ではない。ヤンファ村の周辺は現在、温泉などテーマ公園の造成で大いに賑わっている。