音楽生活45周年を迎えるジャズドラマー、柳福星さん

 17歳から米第8軍でドラム演奏を始め、生涯をジャズドラマー兼、打楽器奏者として歩んできた柳福星(リュ・ボクソン/62)さんが今年、ジャズ人生45周年を記念して生まれて初めてのソロコンサートを開く。

 柳さんは作詞・作曲を手がけ、自ら歌も歌い、ドラマ『捜査班長』の独特なテーマ曲の作曲者としても知られる。

 柳さんと待ち合わせたソウル・大学路(テハンノ)のあるジャズバーに入ると、ちょうどドラムの練習をしている真っ最中だった。

 「私は死んだと思っている人たちもいますが、まだ歯も抜けていません。できる限り音楽を続けないと」

 柳さんは最近、毎週木曜にはジャズクラブの舞台に上がる。一時、柳さんは数々のテレビ番組で打楽器演奏を披露していた。しかし、1990年代に入るとテレビは柳さんから離れていった。

 「なぜテレビに出ないのかと聞かれると辛いです。毎日でも出たいですよ。でもテレビがジャズを望んでいないようです。無理を言えば出ることもできますが、偽善は嫌いです。私も白髪を染めたら15歳は若く見えるでしょうが、やりません。それも偽善ですから」

 柳さんがジャズドラムに関心を持つようになったのは中学2年生の時。当時、学校のバンド部員だった柳さんは米第8軍のラジオ「ジャズ・アワー」を聞き、「これをやろう」と決意したという。

 ジャズ学校も教材もなかった時代、米軍基地周辺地域から出回るジャズレコードを買い集めて独学した。

 20歳の時、会賢(フェヒョン)洞にあった洋風居酒屋「クラウン荘」で開催されたドラム競演でサックス奏者の李ボンジョさんと出会い、本格的な音楽人生を歩み始めた。

 その後、「柳福星ジャズ・メッセンジャーズ」を結成し、長い間活動した。1992年には「第1回大韓民国ジャズ・フェスティバル」を企画・演出し、2000年から3年間、国立劇場の夏の野外舞台にも上がった。

 柳さんには言いたいことが山ほどあるようだった。

 「言いたいことを全て言うには3カ月はかかります。還暦を超えて45年間ドラムを叩きながら、死ぬことも考えたし、誰かを殺したいと思ったこともある…。それを乗り越えて今の私がいるわけです」

 柳さんは今月18,19の両日、午後7時30分からヨンサンアートホールでジャズ人生45周年を記念するコンサート(問い合わせ02-543-3482)を開く。ソロコンサートはこれが生まれて初めてだ。

 「クラシックはどれだけ楽譜通り正確に演奏するかが重要ですが、ジャズは即興演奏が重視されます。だから、ジャズに名演奏家はいても名作曲家はいないんです」

 柳さんは「死ぬ前に後継者を育てたいが…」としながら「息子(ハンジュさん/28)もドラムをやっているが、苦労するからと止めても言うことを聞かない」と語った。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者
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