7月ノなれば、韓国最南端の馬羅(マラ)島(南済州(チェジュ)郡・大静(デジョン)邑・馬羅(マラ)里)では「ジャージャー麺、ご注文の方!」の声がこだまし始める。バカンス客が頻繁に足を運び、島のあちこちから手前の電話が殺到するためだ。
某移動通信会社のコマーシャルがきっかけとなり、馬羅島にジャージャー麺が定着して早7年。コマーシャルが与えるコミカルなイメージに乗り、ジャージャー麺の人気が高まると、3年前、もう一つのジャージャー麺店がオープンした。
元祖を主張する「馬羅島ジャージャー麺屋」と、コマーシャルの主人公だったコメディアン李チャンミョンが設立したチェーン店「ジャージャー麺、ご注文の方、馬羅島店」が味の競争を繰り広げている。
野外注文の場合、出前にかかる時間は5~10分。ワゴン車でぎりぎりまで接近した後、チョルカバン(アルミ出前箱)を手に走りながら「ジャージャー麺、ご注文の方!」と叫ぶ。注文が一番多い場所は、高地にある灯台の側のベンチ。目の前に広がる大海を見下ろす3つのベンチは、ジャージャー麺を食べる最高のスポットとして席争いが激しいとか。
磯釣りの客らの注文があれば、海辺から「ジャージャー麺、ご注文の方!」と叫けび、客を確認した後、アルミ出前箱を持って降りていく。ただ一カ所だけ、大門(デムン)岩から100メートル下の磯辺まではロープで降りねばならないため、アルミ出前箱ごとロープに結びつけて降ろすという珍風景が演出される。
馬羅島の名物 ヘムル(海の幸)ジャージャー麺やチャンポン(ちゃんぽん麺)の味はどうだろうか。郡山(グンサン)・世光(セグァン)教会から団体で馬羅島ジャージャー麺を食べにきたと強調する李ソンギョン(女性/円光(ウォングァン)大2年)さんは、「こんな味は生まれて初めて」とし、「ジャージャー麺はぴり辛いながらも甘く、チャンポンは辛くてすっきりする」と親指を立てた。
▲「馬羅島ジャージャー麺屋」=「馬羅島ジャージャー麺屋」の社長バン・ビッナム(29)さんは、馬羅島教会の牧師である父親の勧めで、初めてジャージャー麺屋をオープンした。店の中に入れば、これまで店を訪ねた人々の残したサイン紙が、部屋中びっしり貼られてあり、貫禄を物語る。
魚、海草などを茹でたスープに27もの海の幸の材料を使って味を出しているが、この調理方法で2年前に特許を受け、「海の幸ジャージャー麺」は商標特許も持っている。ここのジャージャー麺は赤いイカソースが掛けられるが、これが独特の辛味を醸し出す。海の幸ジャージャー麺、チャンポンそれぞれ5000ウォン。問い合わせ:064-792-8506
▲「ジャージャー麺、ご注文の方」=馬羅島に足を踏み入れれば、真っ先に客を迎える建物が「ジャージャー麺、ご注文の方」だ。ユーモラスな店名のために、多くの人がこの店を背景に記念写真を撮る。この店もまた、海草、ワカメ、海苔などを乾燥させ、粉末にしてソースを作るのが特徴。
社長の金ジョンス(40)さんは、「見た目は普通のジャージャー麺ですが、食べてみれば海の幸ソースが醸し出す独特な味を感じられるはず」とした。海の幸ジャージャー麺4000ウォン、海の幸チャンポン5000ウォン。問い合わせ:064-792-1434
▲馬羅島の観光情報=韓国最南端碑、灯台、チョコレート展示場などが見どころ。住民数は40世帯、約80人。垂直崖が屏風のように繰り広げられる4.2キロメートルの海岸に沿って、道路がきれいに整備されているため、自転車ハイキングも人気が高い。30分もあれば歩いて島を一周できる。
第一(チェイル)民泊(064-792-8512)、馬羅民泊(064-792-8504)などの民泊施設が多い。飲み水は雨水を貯めてから浄水して使用する。
済洲(チェジュ)道のモスルポ港(064-792-3500)から定期旅客船が一日2回往復運航する(50分所要)。島の滞留時間は1時間30分。定期旅客船は夏期の日曜日のみ滞留時間の制限がある。