鳥肌立つ2人の女子高生の秘密 『狐階段』

 このシリーズは誰もがよく知っている。まともなシリーズがほとんど見当たらない忠武路(チュンムロ/韓国映画の中心地)で『女子高怪談』は、近年の才能ある新人監督と新人女優を多数輩出してきた。シリーズ第1作目は大衆の興味を十分に引き付ける力強い秀作で、第2作目は卓越したスタイルと感情の深みを表現した傑作だった。

 『狐階段-女子高怪談 三番目の物語』(8月1日公開)は、ユン・ジェヨン監督から主演女優、シナリオ作家に至るまで、女性映画人らが中心となって制作された作品だ。この新しいシリーズが前作との差別化を図るため選択したものは、芸術高校という空間と、願いを叶えてくれる“狐階段”というモチーフ。

 これらを基本にしたこの映画は、仲良しだが密かな競争心が原因となり、結局は悲劇を生むことになるバレエ部に属する二人の女子高生の話を中心にストーリーは展開される。

 設定はユニークで滑り出しもスムーズだった。次から次へとショッキングなシーンも飛び出す。しかし『狐階段』は、ストーリー展開が読めない映画だ。最初の1時間はドラマに力を注ぎ、その後はホラー映画的なスリルが集中するが、この二つの面は、互いの関係を繋げないまま、後に負担となっていく。

 後半部に集中的に登場するグロテスクなシーンの数々は関連性がないまま、空回りする。やたらと食べ物をむさぼることで太った人物を描くといった慣性的なキャラクター作法は、観客が映画の登場人物に心から同化するのを邪魔する。

 数年前の全智賢(チョン・ジヒョン)を連想させる朴ハンビョルは、大ブレイクが予想されるほどに魅力的で、笑顔の中に潜む陰を表現するソン・ジヒョの演技には深みがある。難しい役を演じたチョ・アンも熱演した。

 しかし、新顔の登場に喜び、ホラー映画としてこの作品が与える細々した面白さを味わうには、前作の輝きが眩しすぎる。

 『狐階段』の中で女子高生たちが階段をゆっくりと上がって心から願いを祈る時、観客も自分でも知らないうちに数字を数えている。階段を上がりながら数字を数える時同様の心情で、今から観客たちは「四番目の物語」を待っている。

李東振(イ・ドンジン)記者
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