オカルト・ドラマで大活躍する子役たち

 「幽霊といえば当然、素服に長い髪」と期待するなら、肩透かしを食らうかも知れない。今年の夏、地上波テレビ局3社で『伝説の故郷』の脈を受け継いだ伝統的なオカルト番組を放送する局は、一局もないからだ。

 そんな中、「納凉特集」と銘打ったドラマを放映するのはSBSテレビのみ。25日午後11時5分から放送される『ウンジ』は、恨みに満ちた女幽霊に代わって平凡な5歳の子供2人を主人公にした。

 娘を連れて旅行中の夫婦が、深夜の田舍道で道に迷った男児を轢いてしまう。焦った夫婦はひき逃げしてしまう。

 「何かあったの?」と聞く娘には「子犬を弾いちゃったみたい」と嘘をつく。男児は母親を探しに行く途中だった。母親に会えないまま殺され、山奥に捨てられた男児の霊が娘に取り付き、恐怖の復讐劇が始まる。

 従来のオカルトものは、不意に幽霊が登場して視聴者を驚かせるスタイルが多いが、このドラマは「忍び寄るような東洋的恐怖に近い」とプロデューサーのカン・シンホ氏は説明する。

 撮影現場はソウル市・銅雀(トンジャク)区・上道(サンド)洞の某団地。ミュージカルの舞台で活動してきた朴チビン(9)が轢き殺された男児役を、『青春の罠』、『ガラスの靴』などの人気ドラマに出演したハ・スンニ(9)が幽霊に取り付かれる少女として出演する。

 二人が撮影の待機中にスタッフたちとふざけ合っているのを団地の住民30人余りが見守り、「本当に可愛い」という言葉を連発した。

 朴チビンは「アイスクリームのCM撮影が一番好きです。アイスクリームをたくさん食べることができるんですよ」と話した。ハ・スンニは「血のメイクはベタベタして嫌です。NGが出て監督が笑う時が一番面白いです」と語った。

 無垢に話す二人の子役俳優が、果して寂しさや悲しさ、罪悪感や恨みなどが交錯するホラードラマの演技をまともにこなせるのか。二人は真面目な表情で「私たちがどんなに恐ろしいかを見せましょうか」と、冷たく凍りついたような表情演技を見せてくれた。

金秀恵(キム・スヘ)記者
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