演劇デビューするお天気キャスターの李イクソンさん

 彼女は雨が降る日には雨がっぱを着て、日差しの強い日にはサングラスをかけてブラウン管に現われた。真夏の日には「雄の蚊は3~4日しか生きることができませんが、雌は30日以上生きます」といった話を交え、元気に天気予報を伝えるお天気キャスターの李イクソンさん(34)。

 天気予報だけではなく映画紹介、ラジオのパーソナリティなど、各方面で活躍する李さんが、今度は演劇にチャレンジする。

 現在公演中の演劇『うどん一杯』(金ドンス、チェ・ジンウ演出、9月28日まで金ドンス・プレイハウス)にキャスティングされ、8月中旬から出演する予定だ。貧しい母親と二人の息子の話を描くこの演劇で、李さんは母親役を演じる。

 李さんは最近、午前中の放送を終えると、午後2時まで大学路(テハンノ)の稽古場で稽古に励んでいる。その優しい顔の裏には、一瞬たりとも無駄な時間を許さない“厳しさ”が潜んでいる。

 毎日午前6時からスタートするKBS第1テレビの『ニュース広場』で天気予報を伝えるために、13年間毎日午前4時に起きている。放送後にはスポーツで体を鍛えたり、企業で講演を行ったりする。そして午後2時には再び局に戻ってKBS第1ラジオの『ラジオで開く世の中』のパーソナリティを務めてきた。

 先週末で『ラジオで…』が終了すると、李さんは休む暇もなく演劇出演という「午後の日課」を作り出した。

 李さんに「欲張りな方でしょう?」と聞くと、空かさず「はい」という答えが返ってきた。

 「できなかったものがあると、必ず最後までやり遂げてしまいます。自分で直接やってみたり、終えたという達成感が好きです。それが高じて、スポーツも水泳、卓球、テニス、ボウリング、インラインスケート、登山、ゴルフ、スキューバ・ダイビングなど、次々と楽しむようになりました」

 淑明(スクミョン)女子大学児童学科を卒業した李さんは「学生の時もバイトというバイトはすべてやりました。家庭教師、アンケート調査、CDショップの店員の他に、エレベーターガールもやりました。色々な経験を積むためでしたが、実際にそうしたことが今の仕事に役立っています」

 李さんは「13年間『ニュース広場』のお天気キャスターを務めていますが、休暇をとったのは6回だけ」と語った。「ところが一度も夏休みをもらったことはありません。いつ台風が来てもいいように、待機していなければならないからです」

 しかし、李さんはそうした生活を逆に楽しんでいる。「私が一番気を付けていることは、気が緩むことです。お天気キャスターはオウムだ、服に気を配る女だなんて言葉はぜったいに聞きたくありませんから」

 李さんは「一生のうちで必ずやって見たいことの一つが演劇だった」と楽しそうに語った。5年前に「演劇がやりたい」という新聞インタビューを目にした演出家の金ドンス氏が出演を提案し、二つ返事で引き受けた。

 「長年の放送で見せることのできなかった、私の別の魅力を演劇で披露したいです。人生は常に挑戦で、その挑戦がとても楽しいです。

もし韓国に私立探偵という職業があったら、私は探偵になっていたでしょう」

李圭鉉(イ・ギュヒョン)記者
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