「世界の大富豪」紹介番組がケーブルテレビで人気

 最近の視聴者は、ケーブルテレビを通じて富裕層のライフスタイルを代わりに“消費”する。大富豪が何を食べて、どんな服を着て、どんな恋愛をするのかを紹介するドキュメンタリーがケーブルテレビで人気を呼んでいる。

 ケーブルテレビのファッション専門チャンネル「東亜(トンア)テレビ」が放送中の『世界の大富豪』(毎週月・火曜日、午後11時40分)と『上流社会のライフスタイル』(土・日曜日、午後4時40分)が代表的な番組。

 ゴールデンタイムではないにも関わらず、同局のシチュエーション・コメディー『フレンズ』に続き視聴率2、3位を占めている。

 ドキュメンタリー専門の「Qチャンネル」と映画専門チャンネル「OCN」も最近、『億万長者が生きる方法』と『億万長者と結婚する方法』をそれぞれ放送し、同時間帯の平均より二倍以上の視聴率を記録した。

 こうした番組が成功し始めると、これまで衛星とケーブルで国内の旅行情報を主に扱ってきた「旅行レジャーテレビ」も海外に目を向けるようになり、今月3日から世界各国の豪華列車の旅を紹介する『夢の列車旅行』を毎週金曜日午後10時からスタートさせた。

 こうした番組の共通点は二つある。まず、一般庶民は一生体験することができない「彼らだけの世界」を、まるで商品のカタログを広げるように派手に紹介している。

 大富豪一家が登場して「夏休みにイタリアの城をレンタルするのは時代遅れで、最近は農村を丸ごとレンタルするのが流行」と軽く言ったり、車のオーナーの体にフィットしたオーダーメード自動車も登場する。

 90年代後半から徐々にスタートし、不景気になり始めた今年の3月以降から多くのチャンネルに登場したのも共通点だ。

 漢陽(ハンヤン)大学新聞放送学科の姜南俊(カン・ナムジュン)教授は「最近、ケーブルテレビで最も人気の番組は、格闘技とこうした大富豪を紹介する番組」と説明した。

 格闘番組が何も考えなくても生活のストレスを発散させるなら、大富豪を紹介する番組は、彼らの「酒と薔薇の日々」を自分も一緒に楽しもうとする「代理満足」を提供する。

 現実では難しい欲望をせめてテレビで得ようとする視聴者たちの「悲しい現実」がここにある。

金秀恵(キム・スヘ)記者
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