独身男女の恋愛を“クール”に描いた映画『シングルス』

 『シングルス』(7月11日公開)は、29歳の女性たちの大胆な性意識を扱った『ディナーの後に』(1998)よりも遥かに軽快だ。

 男性中心の性談義と争わなくてもいいほど状況も変わったが、シングル(独身)たちの生活に焦点を合わせて無駄を省いたためだ。

 米国の人気番組『セックス・アンド・ザ・シティ』に登場する堂々としたシングルたちと、爽快で細やかなシーンの数々を連想させる映画だ。

 鈍くて落ち着きのないナナン(チャン・ジンヨン)、男性的な恋愛博士のトンミ(オム・ジョンファ)、小心者の純情派チョンジュン(李ボムス)は、幼馴染みの29歳。

 衣裳デザイナーだったナナンは、恋人にふられた翌日に想像もしなかった外食事業部に異動となり、チョンジュンの家で居候中のトンミはセクハラに腹を立てて会社を辞める。憂鬱な日々を過ごすナナンは、証券会社のスホン(金ジュヒョク)と新たな恋愛をスタートさせて元気を取り戻す。

 一方、会社設立準備中のトンミは、酔った勢いでチョンジュンと一夜を共に過ごす“事件”を起こしてしまう。

 4人の出演者が支える映画は、ある方向に傾いたり、きしんだりもしない。誰一人として置いて行かれたり、突っ走ったりすることもなく、バランスが取れている。

 アメリのようなヘアスタイルをしたチャン・ジンヨンはとてもキュートで、オム・ジョンファは挑発的で荒々しく、李ボムスはソフトで優柔不断なキャラクターで、それぞれが危険を冒しつつも変身を試みたが、結局は目的を果たして成功している。

 「無駄に頭を抱えずに気楽にやる」。『シングルス』が葛藤をテーマにストーリーを進めていく方式だ。出会いと別れ、セックスと妊娠、同棲と結婚など、30歳前後の男女を悩ませる頭痛の種も“クール”に描いた。

 「ご飯とラーメン」、「噛んで捨てたガム」、「クモの巣」などの性的な比喩も、この映画をスマートにさせた。

 これといった印象に残る場面はないが、『シングルス』は面白く、すんなりと最後まで見せる。

 『愛するのにいい日』(1995)でデビューしたクォン・チリン監督は、2作目の作品で、涙する場面にも、深刻に争う場面にも笑いを加えた。決断の瞬間が訪れると冷静になる二人の女性キャラクターの実力が、中身のない軽い内容の映画とは一線を画した。

朴敦圭(パク・トンギュ)記者
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