成熟したバラードで帰って来た金ヒョンソン

 昨年はじめに『Heaven』を大ヒットさせ、独自のバラード世界を構築した金ヒョンソン(25)が、5thアルバム『Air』をリリースした。

 金ヒョンソンのアルバムを一手に引き受けてきた作曲家のウォン・サンウが今回もプロデューサーを務め、金ヒョンソク、ユン・イルサンをはじめ、ユリサンジャの朴スンファも作曲で参加した。

 当初は哀愁のバラードを主に歌っていた金ヒョンソンは、昨年からぐっと男性的になったボーカルを聴かせている。

 1997年に江辺(カンビョン)歌謡祭で金賞を受賞し、『願い』でデビューした金ヒョンソンは当時19歳だった。その後、若くして豊かな感性のバラードにこだわってきた金ヒョンソンは、完全に成熟した声を自分だけのものにした。

 ニューアルバムのタイトルトラック『幸福』も、華麗なオーケストラの演奏に合わせてドラマチックな強弱ある展開で感情を表現した。

 「私はもう戻って来ません/去って行ったあなたを見つめながら/悲しみたくありません」と歌うクライマックスでは、今までになかった激しいボーカルを聴かせる。

 朴スンファが作曲した『むしろ帰って来て』は、ユリサンジャの女性的な感受性が込められた曲。金ヒョンソンはこの曲で、初期の哀愁漂うボーカルスタイルに戻り、バラードのメロディーに自然に乗り、その超越したテクニックを遺憾なく発揮している。

 『告白』はバッハの『G線上のアリア』のメロディーをフューチャーした曲で、『愛することができますか』では、新人女性アーティストのチャ・ユミとデュエットした。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者
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