妻の浮気を疑った男が、悩んだ末に殺害して自分も自殺する。5年後、ホームヘルパーのボランティアをする理佳(奥菜恵)が訪ねたその家は荒れ果てていた。老婆は何かに取り付かれたように放心状態で、2階の部屋には真っ白い顔をした子供が現われては、また消える。その後、老婆が突然死し、黒い影を見た理佳は気を失う。
日本映画『呪怨』(27日公開)は、複雑だが独特なホラー映画だ。つじつまが合わないように思える多くの物語は、現在と過去を複雑に行き交い、ある接点を見せてくれる。物語と人物の接点には、死んだ夫婦が発見された陰鬱な家がある。
『リング』の脚本を手がけた高橋洋氏も驚愕し、絶賛した清水崇監督(32)は、自身が制作したホラー・ビデオ『呪怨/呪怨2』を原作にこの映画を制作した。『パルプ・フィクション』のように時間と物語を巧みに散りばめた映画は、泣き声、雑音などの鳥肌の立つ音や闇を背景に、衝撃的な映像の繰り返しで恐怖心を煽る技法を見せてくれる。
しかし、この家に立ち込めた呪いには、明らかな理由というものがない。新たに引っ越して来た人々はもちろん、殺害現場を捜査した警察官から好奇心で訪れた高校生まで、この家に足を踏み入れた人間に罪はなく、みな潔白だ。それだけに彼らの死は無残極まりない。無差別的な死を前に観客は理解に苦しみ、恐怖も半減する他ない。
映画のタイトルは「果てしなくつながる呪い」を意味する。中田秀夫監督の『リング』のように、ハリウッドでリメイクされる予定だ。