映画『チューブ』の隠れた主役 クォン・オジュン

 「新人の気持ちでやりました」

 デビュー10年目のクォン・オジュンは、本当に覚悟して臨んだようだ。

 生まれて初めて坊主頭にし、一つのシーンに10個以上の設定を考え出した。

 最近公開され好評の映画『チューブ』で、クォン・オジュンは「ミョンドナル(かみそりの刃)」役を演じた。

 地下鉄を舞台に悪事を働くチンピラだが、彼の演技で映画が活きの良い魚のように活気付く。頭の傷跡、花柄の赤いジャケット、十字架のピアスなど、小物のすべてが普通でない。

 口が悪く、スリの元締めだが、主人公のチャン・ドジュン刑事(金錫勲(キム・ソクフン)扮す)の前では悪さができない。映画の後半部分には手錠をされ、爆弾を乗せた地下鉄でどうすることもできないが、口だけは最後まで良く動いて観客を爆笑させる。

 ドラマやシチュエーション・コメディーでは主人公のクォン・オジュンが、映画に助演として出演したのは、『クリスマスに雪が降れば』に出演した時の助監督が、今回の『チューブ』にもスタッフとして参加していたからだ。

 そして『チューブ』のペク・ウンハク監督は、クォン・オジュンの今までの演技経験を信じて、ほとんどの部分を彼に任せた。

 クォン・オジュンは小道具から台詞の一言まで、ほとんど直接手がけ、単純なシーン一つにも10パターン以上を設定してロケに参加する熱意を見せた。

 「今も登場シーンの多い少ないは意識しません。一つの場面でも観客の記憶に残ればそれで満足します」

 クォン・オジュンの映画出演は今回で3回目。処女作はデビューした年の94年の映画『若い男』。もちろん端役に近い助演だった。『チューブ』で映画演技の醍醐味を披露したクォン・オジュンは「新人の気持ちでまた挑戦する」と今後の覚悟を語った。

 来月28日からスタートするMBCテレビの時代劇『茶母』に出演するクォン・オジュンは、デビュー10年目にして時代劇に初挑戦する。「10年目にして初めて演技とは何かが分かった」というクォン・オジュンの言葉に重みを感じた。

スポーツ朝鮮/李ユヒョン記者
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