2000年の秋には『秋の童話』を誕生させ、2001年の冬には『冬の恋歌』を完成させた。そして2003年の夏は『夏の香り』の季節となるだろうか。
KBS第2テレビで7月7日からスタートする全20回のドラマ『夏の香り』(チェ・ホヨン脚本、尹錫瑚(ユン・ソクホ)演出)は、「放送界のゴッドファーザー」尹錫瑚プロデューサー(46)が『秋の童話』に出演した宋承憲(ソン・スンホン/27)と3年ぶりに再び手を組み、早くも話題になっているドラマだ。
初恋のウネを事故で失ったミヌ(宋承憲)が、話し方や素振りがウネとそっくりのへウォン(ソン・イェジン)と運命の恋に落ちるというストーリー。
宋承憲、宋恵嬌(ソン・ヘギョ)が主演したドラマ『秋の童話』では40%を超える視聴率を記録して全国の視聴者を涙させ、ペ・ヨンジュン、チェ・ジウ主演のドラマ『冬の恋歌』では全国に主人公のナチュラルヘアとマフラーの巻き方を流行させた尹プロデューサーの「四季シリーズ」の夏バージョンだ。
3日、撮影をスタートさせた尹プロデューサーと宋承憲に全羅(チョルラ)北道・茂朱(ムジュ)で会った。
尹プロデューサーは「新たな人物を物色してみたが、結局、真っ先に連絡したのは承憲だった」と語り、「映画に専念する」と宣言した言葉を覆してブラウン管に復帰した宋承憲も「尹プロデューサーの作品なので」とこれに応えた。
▲尹錫瑚が語る宋承憲
「韓国の俳優は皆ルックスが似たり寄ったりですが、承憲の顔は本当に独特です。誰も似ている人はいないでしょう。特に私は俳優の目を重視するので、1998年の『君そして私』で初めて見た承憲の物悲しい目を忘れることができませんでした。演技は下手ですが、眼差しだけは本物だったからです」
「その後、承憲が男らしい演技をするのを見て、これだと思って『秋の童話』でその眼差しを活かしました。『夏の香り』にミヌ役でキャスティングしたら、『宋承憲はそのまま秋の童話のジュンソのままでいてほしい』といった反対の声もかなりありました。でも、他にあの眼差しを表現できる俳優を探すことはできませんでした」
▲宋承憲が語る尹錫瑚
「悲しい眼差しですか?それを聞くと申し訳なく思います。この話はあまりしないんですが…。私は『B型で天然パーマ』なんですよ。性格もせっかちだし、自分の思うようにいかないと我慢できない、わがままなところがあります」
「尹監督こそ『童話の中の王子様』みたいな人です。あまりに純粋すぎて、未だに独身でいるのではないかと思えるほどです。このドラマを選んだ一番の理由も監督です。いつも悲恋ばかりで不満はないのかと言われますが、もともと映画もブロックバスターより悲しいメロドラマの方が好きなんです。運命の人に出会い、生涯幸福に暮らすことが夢でもありますし」
「もちろん、ミヌとジュンソのイメージが重なるのではないかという心配もあります。でも重ならないよう努力しています。どこが違うかって?髪を染めたでしょう!(笑)。生まれて初めてなんですよ」
▲2人が語る『夏の香り』
1回当たりの制作費に1億ウォンを投入する『夏の香り』は、茂朱を中心に全羅道一帯で撮影される。『秋の童話』が落ち葉の赤いイメージ、『冬の恋歌』が雪の白いイメージなら、『夏の香り』は新緑の青さが基調となる予定だ。
「監督がつくり出す映像を想像するだけでわくわくします。『秋の童話』も素材自体はシンプルでしたが、あれほどまでに美しくつくり上げたでしょう。それに、当時はまだ若かったですが、今の私はあの時よりも余裕ができましたから」(宋承憲)
「愛する人を見ると、頭より先に胸がときめくでしょう。『夏の香り』は頭ではなく、心でする愛の物語です。主役たちが初めて出会うシーンで天気雨が降るのですが、青春も結局、天気雨のようなものではないでしょうか。最も美しく輝く瞬間ですが、ほんの一瞬で過ぎ去ってしまいますから」(尹錫瑚)
▲『秋の童話』、『冬の恋歌』、『夏の香り』の次は?
尹プロデューサーは「四季シリーズ」の最終章も構想中だ。暫定的に決めたタイトルは『春の日はやって来る』。いつになるかは未定だが、当然、韓国で最も春の景色が美しい場所を探し出し、撮影する考えだ。