昨年、全国で観客419万人を動員し、「家へ…シンドローム」を巻き起こした映画『家へ…』(李廷香(イ・ジョンヒャン)監督)が日本でも静かな感動を呼んでいる。
『家へ…』は今年3月末、東京の岩波ホールで『おばあちゃんの家』として公開され、今も1日3回の上映でチケットがほぼ完売するほどの人気だ。
日本側の配給会社「ツイン」によれば、当初は岩波ホール1館だけで上映していたが、5月はじめから大阪、福岡など約20都市で拡大上映され、上映館は今後も増える見通しという。
日本の朝日新聞は先月26日、「韓国映画『おばあちゃんの家』が日本でも普遍的な共感を集めている」と報道した。岩波ホールが観客を対象におばあちゃんにまつわるエピソードを公募すると、約50通のハガキが寄せられたという。
横浜市に住む51歳の女性は「文字を読むことも書くことも出来なかった祖母とは打ち解けなかったが、映画館を出てショーウインドーに映る自分の姿を見たら祖母にそっくりだった」と寄せた。東京の27歳の男性は「祖母は雪の降る日にも家の前で待っていてくれ、冷たくなった私の手をさすってくれた。映画を見て祖母に冷たく当たってしまったことを申し訳なく思った」と書いた。
『家へ…』の制作会社「チューブピクチャース」のファン・ウヒョン代表は「岩波ホールの客層は通常30~40代だが、『おばあちゃんの家』の場合は20代が多く、今でも毎回8割を越える観客が入っている。祖母に対する韓国的な情緒が日本にも通じる証拠」と説明した。
『家へ…』は韓国映画史上初めてメジャー配給会社のパラマウント・クラシックスを通じて昨年11月に米国で公開され、封切りから約20週間、全米興行成績で60~90位につける底力を見せた。
また、香港、台湾、シンガポール、イスラエル、ギリシャなど計15カ国に販売され、64万ドルの販売収益を上げた。