ドラマ業界「スター不足は新人発掘で補おう」

 SBSテレビが『千年之愛』の後続として31日から放送する週末ドラマ『スクリーン』(イム・チェジュン脚本、李勝烈(イ・スンリョル)演出)のヒロインは、CMモデル出身の金テヒ(24)だ。彼女はシチュエーション・コメディーに2カ月ほど出演したのが全てという、完全な新人だ。

 ゴールデンタイムのドラマが、新人タレントに「ラブコール」を送っている。最近、MBCとSBSが発表した新ドラマの主人公は、新人またはシチュエーション・コメディー出身の若手タレントたちだ。

 新人ラッシュが続いているのは、映画やCM界に流れたトップスターたちを、ドラマがこれ以上、呼び集めることが困難になったことが影響している。制作陣はトップスターにすがることができなくなったため、「ならば新しい顔を発掘しよう」と新人たちを大胆に起用している。

 こうした傾向は、ヒロインの場合に多く目立つ。金テヒは週末のゴールデンタイムのドラマに高卒の20代の女性で登場し、逆境を乗り越えて映画プロデューサーとして成功するソヒョン役を演じる。

 『スクリーン』の1時間前に放送される土日午後8時45分スタートのSBSテレビのドラマ『プー太郎脱出』 (脚本:ハン・ジュヨン、演出:オ・セガン)のヒロインは新人の李ボヨン。彼女もMBCテレビのシチュエーション・コメディー『ノンストップ3』に、たった1回だけ出演したのが演技経験のすべて。

 MBCのドラマも新人が独占するようになってきた。現在放映中の週末ドラマ『死ぬほど愛してる』(金運経(キム・ウンギョン)脚本、蘇元永(ソ・ウォンヨン)演出)は、新人のチャン・シニョン(19)の初主演作だ。

 14日にスタートした水木ドラマ『男の香り』(コ・ドンリュル脚本、李デヨン演出)のヒロイン、ハン・ウンジョン(24)もドラマ主演は初で、6月2日スタートの月火ドラマ『屋上部屋の猫』(ミン・ヒョジョン脚本、金サヒョン演出)も、主演女優のキャスティングに苦心した末に、チョン・ダビン(24)を選んだ。

 『スクリーン』の李勝烈プロデューサーは「はじめから新人を使おうとは思わなかったが、正直言って最近はトップスターのキャスティングがとにかく難しい」と打ち明けた。『スクリーン』の場合、当初予定していた主人公が他の人物に変わると、再度その主人公に合う脇役も配役し直さなければならなかった。

 MBCのあるプロデューサーは「テレビでちょっと売れると、すぐに映画界に行ってしまう風土がスター不足を招いている」としながら、「実際のところ、トップスターが出演したからといって、必ずしも視聴率が高いわけでもなく、新しい顔を発掘することで勝負を賭けている」と語った。

李自妍(イ・ジャヨン)記者
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