青少年の性問題の相談役であり「アウソン(美しい私たちの性)」の名講師、具聖愛(ク・ソンエ/47)さんが活動を再開した。
「今までどう過ごしてきたか」という質問に、具さんは「一生懸命やってきました」と答え、独特の笑い声を響かせた。
テレビに出演しなかっただけで、相変らず全国を回って講演や相談をしていたという。
何か言葉を発する度に笑い、インタビューをしているのか、お喋りをしているのか分からなくさせる具さんは「しばらく姿を見せなかったものだから、たくさん稼いでビルでも建てたのかという話も聞きました」と、もう一度大笑いした。
テレビで姿が見られなかった2年間の「空白期間」、具さんは主にサイバー空間に出没していた。「ネイル青少年センター」から独立、汝矣島(ヨイド)の小さなオフィスに「アウソン・センター」を設立後、インターネットを舞台に青少年の相談を受けてきた。
「テレビに出て青少年の性教育の大切さを口だけで熱心に語っても、実際にどう解決しているかはお見せできなかったでしょう。そこで、まず10代の青少年が簡単に接することのできるサイバー空間(www.9sungae.com)を作ったんです。一日に平均400~500件の相談が寄せられます。10代の会員が10万人を越えました。毎日、子供たちと話し合って問題を解決しながら、道が見えてきました」
具さんが言う道とは二つある。青少年は性教育の主体であって対象ではないということ。むしろ教育を受けなければならない対象は親だというのだ。
「青少年は性の問題を自分たち同士で解決しようとする姿が歴然としています。先に経験した先輩が返事を書いて慰めるといった形ですね。教師や専門家でないのに、遥かに適切で説得力ある返事を書いているのには驚きました。未婚の母の予防教育に未婚の母親たちが直接参加する米国のように、韓国でも性問題を経験した10代が主体にならなければと思いました」
青少年が自分の体を愛することができるようにと、具さんは来月、ソウル市・延喜(ヨニ)洞に「アウソン・体を愛するセンター」をオープンする。問題が起きても親に話せず、最悪の状況にまで陥る子供たちのために専門の治療センターを設置するのだ。
具さんは、子供たちの体と性に対する考え方を根本的に変えなければならないのは親だという。
「性教育が情緒的に行われなければならない幼児期には、性は美しくすばらしいものだというイメージを植え付けるのが重要です。性に対する好奇心が現実となる青少年期には、親は教科書ではない参考書的な役割ができれば良いですね。『お母さん(お父さん)も昔はこうだった』といった具合に。肯定的な対話を続けることが大切です」
性に対する親たちの否定的な考え方で、子供たちの自然な本能的行為を抑圧すれば、むしろ成人してから不感症や変態行為といった逆効果を生むというのが具さんの忠告だ。
具さんが韓国の親たちに話したいことは山ほどある。そのような話を集めて1冊の本にした。『あなたのせいじゃないよ』というタイトルのこの本で、彼女は自分が10歳に時に受けた性暴力の悪夢を打ち明けた。親を喚起させるためだった。
「性暴力被害者の30%は13歳以下の子供たちです。そこで、親の役割が極めて重要です。『あなたのせいじゃないよ』と抱き締めてくれた母がいたから、私はあの惨い悪夢から逃れることができた。汚れなきわが子がまさか、と油断して、子供の性的好奇心を傍観したり、すべての問題を『勉強さえできればいい』として、蓋をしてしまう過ちを犯してしまったら、子供たちの体はどんどん壊れていってしまいます」
性に対する子供たちの好奇心を親が一緒になって正論でもって解決しなければならない、暗い部屋の片隅で、わいせつな書物か何かで解決させてはならないと力説する具さんは、ここでまたもや自分の経験談を聞かせてくれた。
「私の母は、中2になった娘に父との夜の夫婦関係を楽しそうに聞かせてくれたものです。愛は美しいものなのだから、性も美しいのだと強調しながら。わざとそうしたのかも知れませんね。
とにかく、私は教養のある母親よりは、厚かましい母親の方がマシだと考える主義ですから」