最近、2ndアルバム『Soulsum』をリリースしたLINAE(23)は、1stアルバムとはまったく違う声を聴かせている。
1stアルバムのタイトルトラック『離別後愛』が、繊細なボーカルスタイルの大衆的なバラードだったなら、今回のアルバムでLINAEは、中低音に強い本来のカラーを表現している。ブルースとジャズをブレンドしたエスプレッソのような歌声だ。
「1stの時も今も私の声はまったく同じです。でも、1stの時はミキシングで声を絞ったんです。あの時はそうするのが流行っていましたし…。私は元々きれいな声ではなく、低音で歌うのが得意なんです。それで今回は、自然に私の歌声を出そうと思ったし、満足もしています」
昨年3月にデビューしたLINAEは、秋まで活動してすぐ2ndアルバムの準備に取り掛かった。
「2ndアルバムが随分と早く完成しました。あまり休みたくはなかったんです。早く曲を作りたかったし、舞台にも立ちたかったんです」
同徳(トンドク)女子大学の実用音楽学科でボーカルを専攻するLINAEは、独学で作曲を学んだ。14曲が収録された今回のアルバムでは、タイトルトラックの『恋人』をはじめ、7曲を自ら作詞、作曲した。
『恋人』はヒップホップスタイルのリズムにビートが強い曲だ。LINAEのボイスカラーを最大限に表現するために、楽器の使用は最小限に抑えた。当初は『When I Found You』という英語歌詞の曲だったが、その後、韓国語で再び作り直され、タイトルトラックとなった。
『守ってください』はジャズテイストに溢れた曲で、LINAEの可能性を十分に感じさせる曲だ。
「子供の頃からエラ・フィッツジェラルドみたいになりたいと思っていました。黒人の歌い方が好きだったんです。特にエラの若い頃よりも40代後半の声に憧れました」
LINAEはこれからもたくさんのジャズを歌い続けたいと言う。そのためか今回のアルバムは、豊かな声量をあえて節制した。
「子供の頃はよく海外のポップスを歌ったのですが、国内の曲の方が遥かに歌いにくいですね。自分のスタイルで歌うのも難しくて…」
LINAEは今までバラード専門のシンガーソングライターに分類されてきたが、本人は自分の中に多くのポップ的要素があると語った。
「一度は必ずバンドを組んでみたいです。
その時は私の思い出の中にあるポップスを歌おうと思います」